食市場を支える中食惣菜 スーパー、コンビニがけん引 ドラッグ、宅配が台頭 今後は冷凍の取り組みがカギに

食市場(内、中、外・食)は、中食惣菜市場の成長に支えられている。23年の中食惣菜市場は前年に続き好調に推移。新型コロナウイルスの感染拡大により20年の市場は縮小したものの、21、22年と持ち直し、現在は19年の水準に近づく回復をみせている。チャネル別では食品スーパー、コンビニが好調。一方、ドラッグストア、宅配なども新たな販路として台頭している。

日本チェーンストア協会発表の6月のスーパーにおける惣菜販売は、全店で5.9%増。既存店では6.0%増となった。また食品スーパーの惣菜販売は全店が6.1%増、既存店が5.0%増。6月は揚げ物、天ぷら、オードブル、中華、焼き物などが好調で、要冷惣菜、弁当、寿司の動きも良かったという。商品単価の上昇が続いているものの中食需要は引き続き拡大している。また家庭での電気・ガス代高騰や食油の値上げを理由にから揚げ、コロッケなど揚げ物類の惣菜が伸びた。

惣菜販売が好調なのはスーパーだけではない。惣菜の最大販売チャネルであるコンビニでは、近くて便利な業態特性が近年の消費者生活スタイルにマッチ。惣菜販売も順調に推移している。日本惣菜協会の調査によると、22年のコンビニでの惣菜販売金額は前年比102.5%の3兆2千801億円。過去最高を記録したコロナ前19年の97%まで迫る回復をみせた。直近では、6月の日配食品売上高は既存店ベースで4.7%増。コロナ5類移行後の人流回復加速から、テレワークの定着や行楽の自粛で落ち込んでいた客足が戻ってきている。猛暑も、客数・客単価増加への追い風となりそうだ。

一方、新たな販路も台頭している。ドラッグストアでは食品の取り扱いを強化。アウトパック惣菜も種類が増え、サラダ以外でも米飯やスナック関連の販売が伸びているという報告もある。機能性表示食品の惣菜など、健康感をテーマとした品揃えも進んでいる。

コロナ禍では宅配の再評価が進んだが、高齢化の進行から引き続き成長が見込めそうだ。コロナが第5類に移行した現在も、生協をはじめ宅配関連事業者では惣菜の販売は好調。惣菜業界でも宅配は新規販路として成長が有力視されている。

中食惣菜市場は手軽さと即食性、購入者のライフスタイルの変化に柔軟に対応し成長を続けてきた。今後の惣菜市場のキーワードは「冷凍」。買い物客の冷凍食品ニーズは高まっている。ストックできるというメリットは大きく、近い将来、惣菜製造業ならではの手作り感のある冷凍商材が支持を集めることも予想されている。

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