9.6 C
Tokyo
8.9 C
Osaka
2025 / 12 / 08 月曜日
ログイン
English
加工食品チルドシマダヤ「健美麺」常温で販路拡大へ 猛暑追い風に「流水麺」堅調 秋冬商品

シマダヤ「健美麺」常温で販路拡大へ 猛暑追い風に「流水麺」堅調 秋冬商品

シマダヤは、23年秋冬シーズンに向け、開発のキーワードに健康・簡便・高品質などの頭文字をとった「7K」を掲げ、家庭用チルド麺は常温保存できる健康軸の「買いおき便利『健美麺』食塩ゼロ本うどん 3食」などを発売する。発表会の席上、岡田賢二社長は「健康寿命延伸、国産原料使用、環境配慮などをテーマに開発を進めた。麺のパイオニアとして、付加価値ある商品やサービスの提供を通じ、経営コンセプトである『おいしい笑顔をお届けします』を追求していく」などと語った。

業績の進捗について、岡田社長は「前3月期は価格改定の効果もあり8.9%増収となったが、コスト上昇を吸収しきれず0.4%減益。カテゴリー別の販売実績は、家庭用チルド麺が約2%増、同冷凍麺が約3割増、業務用冷凍麺が約2割増。23年度第1四半期は2年連続の価格改定がおおむね浸透し順調な推移」と説明した。また、直近の気温上昇が「流水麺」や「『もみ打ち』生冷し中華」など涼味製品の追い風になっているとし、「猛暑の中でも安定供給できている。商品では国産そば粉100%に切り替えた『流水麺 そば』の手応えが大きい」とした。

岡田賢二社長(シマダヤ)
岡田賢二社長(シマダヤ)

秋冬向け商品は曽根田直基取締役企画部長が説明。「引き続き『7K(=健康・簡便・高品質・買いおき・経済性・国産・環境)』を開発コンセプトに、ブランド商品の価値向上、新たなコンセプト提案による市場の創造・活性化に取り組む」。

家庭用チルド麺では、和風カテゴリーで「健美麺」と「真打」の2ブランドによる新たな市場創造を目指す。

「買いおき便利『健美麺』食塩ゼロ本うどん 3食」は、国産小麦100%で本来のおいしさはそのままに、常温保存で賞味期間100日を実現した。既存の「健美麺」ブランドはセミLL麺で展開してきたが、健康志向を背景に指名買いが多く、買いおき需要にも応えていく。また、曽根田取締役は「新たな売場やチャネルの開拓につなげたい」との考えを強調。「スーパーには従来の冷蔵ケース以外での販売を推奨している。ドラッグストアなどへの配荷も進めたい。今回はカットタイプの段ボールを採用し、箱に入れたまま販売できるようにしたこともポイント」。

「『真打』にゅう麺 1食」は、若手社員による開発プロジェクトで誕生。幅広い世代が食べやすいように、なめらかでやさしい食感のゆでそうめんを目指した。汎用性が高く、温かいつゆはもちろん、炒めてチャンプルーでもおいしく食べられる。

「時計台」らーめん 白湯しお味 2食(シマダヤ)
「時計台」らーめん 白湯しお味 2食(シマダヤ)

中華麺のラインアップも拡充。「『時計台』らーめん」シリーズは、若い世代に支持されるフレーバーとして「白湯しお味 2食」を発売する。既存品はパッケージデザインを一新。2年目を迎える「魅惑の辛麺」シリーズは、「シビ辛味噌拉麺 2食」を主力に展開。今秋の新商品「スパイス拉麺 2食」は香り高い9種類の香辛料を使ったスープが特長。チルド麺で手薄な夕食需要を開拓すべく、「野菜と煮込む中華そば」シリーズを立ち上げ、「しょうゆ味 2食」「みそ味 同」を投入。冷蔵庫にある野菜や肉と、ゆでこぼし不要の専用麺を煮込んで仕上げる。

家庭用冷凍麺では、和風具付き麺「冷凍 ちゃんぽんうどん」を開発。国産小麦粉100%の麺に、ちゃんぽんスープをあわせた。具材はキャベツ、人参、かまぼこ、豚肉など。

業務用冷凍麺は「真打」ブランドの2品を国産小麦粉100%使用の麺にリニューアル。「稲庭風細うどん」はなめらかなのどごしが楽しめ、「ちゃんぽんめん」はもっちりなめらかな食感に仕上げた。

関連記事

インタビュー特集

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。