マーケティングリサーチ会社のインテージが食品・日用雑貨などを対象に店頭販売価格の値上げについて調査したところ、値上げは高止まり傾向にあるが、特売品やクーポンの利用割合は横ばいから微減となり、一部生活者に節約疲れの動きが見られることが分かった。
調査は、同社が全国約6千店舗より収集している販売データ、SRI+(全国小売店パネル調査)をもとに実施。23年6月と20年平均を比較すると、「キャノーラ油」が185%、「サラダ油」が151%と高止まりしているほか、「マヨネーズ」が約1.5倍、チーズ、砂糖、醬油なども1.2倍を超えてきた。大手メーカーの値上げを背景に、袋ラーメンが118%、カップラーメンが114%と上昇してきたことも特徴的。
一方、生活者への意識調査では一部に節約疲れの傾向が見られる。昨年までは節約のために「特売品を購入」や「クーポンを利用」などの割合が上昇傾向にあったが、今回の調査では横ばいから減少に転じた。同様に「外食の利用回数を減らす」も低下。「プライベートブランドを購入」や「まとめ買い」は若干増えたものの、全体的には節約志向がやや弱まり、購買行動に変化が見られた。
ただし、生活者が食品を購入する業態として、割安感のあるドラッグストアが存在感を高めている。特に値上げが本格化した22年以降の伸び率が大きい。直近6月とコロナ禍前(19年の月平均)の販売金額を比較すると、スーパーマーケットの104%に対し、ドラッグストアは132%となった。