10.7 C
Tokyo
11.9 C
Osaka
2025 / 12 / 07 日曜日
ログイン
English
トップニュースミツカン×半田市 ペットボトルの水平リサイクルへ協定 資源循環型社会目指す

ミツカン×半田市 ペットボトルの水平リサイクルへ協定 資源循環型社会目指す

Mizkan(吉永智征社長兼CEO、以下ミツカン)と愛知県半田市(久世孝宏市長)は6月28日、「資源循環型社会の実現に向けたペットボトルの水平リサイクルに関する協定書」を締結した。半田市で排出・回収される使用済みペットボトルを「ボトルtoボトル」水平リサイクルで新たなペットボトルとして再生し、ミツカンの商品に使用するというもの。今年10月からのスタートを予定する。

リサイクル対象となるのは、半田市内の家庭から出される飲料、調味料などのペットボトルで、年間数量は約400t。現在は、半田市が入札でリサイクル業者に引き渡し食品用トレーなどにリサイクルされているが、10月からは全量をミツカンの指定業者が買い取ってペットボトルとして水平リサイクルする。

ミツカンでは今年2月から、水平リサイクルによりリサイクルされたペットボトルの使用を開始。春新商品の黒酢飲料500㎖(希釈タイプ)のシリーズに使用している。

今回の協定締結を受け、半田市で排出・回収され水平リサイクルされたペットボトルは、先述の黒酢飲料シリーズを手始めに、今後他の商品にも展開していく予定だ。

同日、半田市役所で執り行われた締結式で久世市長は、「当市では『第2次半田市環境基本計画』を定め、資源循環型社会に向かって取り組んでいる。そうした中、当協定をミツカンさまと締結させていただくことになった。ミツカンさまにパートナーとして半田市を選んでいただいたことに感謝を申し上げるとともに、やはり地元企業と一緒にこういう取り組みができるのは意義があることと強く感じている。これをきっかけに、さらに半田市の資源循環型社会が実現できるように目指していきたい」とあいさつ。

吉永社長も、「ペットボトルのリサイクルに関する協定は初めてとなるが、それが創業の地である半田市と結べたことを大変うれしく思っている。われわれにとっても1804年の創業から半田市とともに育ち、育てられてきたと思っているので感慨深い」と語った。

ミツカンでは2018年に「未来ビジョン宣言」を行い、その重点テーマの一つとして「人と社会と地球の健康」を掲げている。「ボトルtoボトル」水平リサイクルについては、飲料業界で先行して取り組みが進められているが、調味料業界では使用成分が多岐にわたることや充填温度の違いなどから安全性試験などが若干遅れていた。

昨年、ミツカン、キッコーマン、キユーピー、日清オイリオグループのメーカー4社による共同研究により、ほぼすべての液状調味料・食用油の容器について水平リサイクルによる再生ペットボトルとしての安全性を確認。これを受け半田市に協力を申し出た。

当日は、共同研究をまとめた「リサイクルペットボトルの安全性評価の概要」について、Mizkan Partners品質環境部の近藤康一氏が取り組みの経緯やポイントを解説した。

関連記事

インタビュー特集

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。