カレーにスパイスを足して辛さを増すように、好みにあわせて口あたりをマイルドにする新発想が生まれた。
各地で店舗展開するカレーライス専門店「上等カレー」のカレーソースは、秘伝とされ、野菜と果物などを使ってつくられる。最初は甘味が強く感じされ、次第に多種多様のスパイスの辛さが追いかけてくるのがウリとなっている。
渋谷本店(東京都渋谷区)では、男性客が約8割を占め、最近では家族連れや海外からの旅行客が増加傾向にあり嗜好が多様化する中、カレーソースは秘伝の1種類しかなく、家族づれで甘口を求める子どもらへの対応としては、チーズや卵をトッピングしたメニューの提供が限界だったという。
1つの皿にごはんとカレーソースが分けられて盛りつけられると、ごはんに少しずつカレーソースをかけて辛さを調整しながら食べ進めることもできるが、上等カレーでは、おいしく食べてもらうことを意図して、ごはん全面にカレーソースをかけて提供している。
秘伝のカレーソースを守りつつ多様化するニーズにも対応して来店客の裾野も広げたい――。
このようなニーズに好適なものとして、ネスレ日本が提案するのは、クリーミングパウダー「ネスレ ブライト」を使った「追いブライト」。
「追いブライト」は、料理の出来上がりに「ブライト」を加えることで、料理本来の味は変えずにコクとうま味が増しクリーミーに仕上げる提案となる。
ネスレ日本は、7月1日から8月31日までの期間中、上等カレーの渋谷本店ほか霞が関ビル店(東京都千代田区)と大和西大寺店(奈良県奈良市)で、カレーを注文すると「追いブライト」ができるキャンペーンを展開する。
提供方法は店舗により異なる。渋谷本店では「ブライト」のスティックタイプを用意し、カレー1皿にスティック1~2本の使用を推奨する。
「追いブライト」について、渋谷本店の堀江真行店長は「上等カレーのソースのよさを損なうことなく、コクとマイルドをつけたすことができる」と評し、顧客層の裾野拡大に期待を寄せる。
「スパイスを足して辛さを増すことはできるが、“甘口のソースが欲しい”といったご要望にはこれまで応えることができなかった。今までの顧客層からはそのようなお声は寄せられなかったが、ご家族連れが増え、“小さなお子様が食べられない”といったお声をちょくちょく頂くようになった」と述べる。
ネスレ日本の飲料事業本部コーヒーシステム&ホワイトカップビジネス部・ハンクス香里氏は、「追いブライト」の特徴について(1)料理の味を薄めずにコクを出す(2)料理の味を変えずに酸味を柔らかにする(3)料理の味を変えずにスパイシーさや辛みをマイルドにする――の3つを挙げる。
ネスレ日本はこれまで「追いブライト」で複数の食品メーカーとコラボ。
ミツカン、カゴメ、エースコック、井村屋とのコラボに続き、昨年は丸美屋食品の「麻婆豆腐の素」とのコラボを実施して特設サイトやツイッターキャンペーンを通じてレシピを紹介している。
これにより「ブライト」の販売は上向いているという。
「年齢層の高いロイヤルユーザーの使用量が増えており、デジタルを活用したコミュニケーションを強化したことで若年層の購入量も増えている」(ハンクス香里氏)と振り返る。
今回は初の外食店とのコラボとなる。
「外食で実際に味わっていただき、“お家でもやってみよう”という動きにつながることを期待している。これを第一弾として今後も展開していきたい」と意欲をのぞかせる。