「麹」を新たなたんぱく源へ 来年のテスト販売目指す 日本ハム

日本ハムは、新たなたんぱく源として「麹」に着目した研究開発を推進する。たんぱく質豊富な「麹」そのものを食材とした新たな商品開発を行うとともに24年のテスト販売を目指し、将来懸念されるたんぱく質不足に対応する。

麹について同社は「味噌や醤油、酒など、和食をはじめとする伝統的な発酵食品に活用され、畑の肉とされる大豆に匹敵するほど、たんぱく質や食物繊維を豊富に含んだ栄養価の高い食材」に位置付ける。

麹における同社の研究は、麹は一般的に原料となる穀物(米、麦、豆など)を蒸したものに麹菌を付けて、繁殖しやすい温度、湿度などの条件下で培養するが、これに対して同社は、食品成分で作られた培養液を用い、その中で麹菌のみを効率的に生産する研究に取り組んでいる。

同社は「麹の生産は、密閉された中で行われることから天候や気候変動の影響を受けにくく、従来の食肉や魚、大豆などのたんぱく質源よりも、安定的にサステナブルな調達につながる可能性がある」とする。

同社の新たなたんぱく源の取り組みは、大豆たんぱく質を使用した「NatuMeat(ナチュミート)」シリーズの商品展開を行うほか、培養肉の研究開発や藻類活用プロジェクトへの参画などで、各種新しいたんぱく質創出を目指した研究開発に取り組んでいる。