「白い恋人」で知られる石屋製菓(札幌市)は、北海道唯一の食物調理科単科校・三笠高校(三笠市)の生徒が考案した洋菓子を商品化した。
商品化したのは、ポッカサッポロフード&ビバレッジが昨年12月に主催した「北海道三笠高校レモンレシピコンテスト 製菓部」で受賞作品に選ばれた「レモンのまんまるパリブレスト」(石屋製菓賞受賞)と「シャルロット・オ・シトロン」(ポッカサッポロ賞受賞)の2品。
受賞後、半年間、商品化に向けて石屋製菓と三笠高校の間で調整を行い、21日、大丸札幌店で期間限定にて販売開始された。
大丸札幌店ではこの日、レシピを考案した生徒らが店頭に立ち来店客を呼び込み、ポッカサッポロのレモンアンバサダーを務める杉谷拳士さんも応援にかけつけた。
これに先立ち、メディア向けに「白い恋人パーク」でお披露目会が開催された。
審査員として参加した石屋製菓の石水創社長は「受賞した2組がレモンにも合っていて凄くおいしかった。ただ商品化にはいくつか手直しが必要で、半年間、商品化に向かって動いていただいた。(今回販売の商品を)ご評価いただけると嬉しく思う」と期待をよせる。
冒頭挨拶したポッカサッポロ北海道の黒柳伸治社長は「コンテストで様々なチャレンジやおいしさに出会えた。今回、販売を通じて、いろいろなアドバイスや率直なご意見をいただくことで高校生の皆さんの励みにもなる。今後も北海道の皆様に喜ばれ、北海道のためになることを進めていきたい」と意欲をのぞかせる。
お披露目会には、杉谷さんとともに、北海道コンサドーレ札幌の小野伸二選手がゲストに招かれ販売商品を試食した。
「レモンのまんまるパリブレスト」を食した小野選手は「食べた瞬間に皆さんの夢が詰まっていると感じた」と評し、「シャルロット・オ・シトロン」を食した杉谷さんは「お口に入った瞬間に“おかわり”という言葉がでてくるくらい、物凄くおいしかった」と感想を述べる。
「レモンのまんまるパリブレスト」を考案した佐野知咲さん(3年生)と五十嵐真央さん(3年生)は、レシピ考案にあたり苦労した点として、シュー生地の焼き色のつき具合とレモンの酸味調整を挙げる。
レモンの酸味調整については「レモン果汁の分量変更や乳製品との組み合わせなどの微調整を繰り返しレモンの酸味を最大限に活かせるケーキに仕上げた」と説明する。
一方、「シャルロット・オ・シトロン」を考案した吉田海斗さん(3年生)と西山縁さん(3年生)も同じく壁にぶつかったことを明らかにする。
「レモンや生クリームの配合を調整して二人で壁を乗り越えることができた。商品化にあたっては、たくさんの方々への感謝が溢れた」と口をそろえる。
北海道三笠高等学校食物調理科の鈴木多恵教諭は「販売応援とお披露目会という、よい成長の場をいただけた」とポッカサッポロと石屋製菓に感謝の意を表すとともに「今後も外部の方との取り組みを含めて生徒の成長につながる活動を積極的に行っていきたい。コンテストも先輩から後輩につないでいけるように続けてきたい」との考えも明らかにする。
「北海道三笠高校レモンレシピコンテスト」は、ポッカサッポロが強みとするレモンやレモンアンバサダーといった資産を活用した地域貢献と次世代育成の取り組みとなる。
三笠高校は、高校生レストランで知られ、全国大会や北海道大会で数々の賞を受賞。教育機関と連携した地域づくりの好例として三笠市にも注目が集まる中、コロナ禍になり20年から活躍の場が失われる状態が続いた。
このような状況を受け1年以上の準備期間を経て実現したのがレシピコンテストとなる。
コンテストは調理部と製菓部それぞれで実施された。
22年8月に説明会を開催し、11月の一次審査では、石屋製菓とポッカサッポロが製菓部を担当。調理部では、杉谷拳士さんほか陸上競技の寺田明日香選手と小池祐貴選手のレモンアンバサダーと管理栄養士の廣松千愛さんがオンラインで一次審査が行われた。
ポッカサッポロオールレモン事業部(当時)では、実際に全てレシピを試作・試食してレモンの使用方法についても確認した。
最終審査は、調理部が12月10日、製菓部が12月11日の日程で開催された。
審査にあたっては、50点満点で熱意・プレゼンテーション構成など最大20点まで加点できる方式を採用した。
50点満点の内訳は調理部では(1)レモンを活かしたおいしさ25点(2)お店で提供できる導入のしやすさ・再現性10点(3)アスリートの課題解決できる健康感15点、製菓部では(1)レモンを活かしたおいしさ25点(2)お店で提供できる導入のしやすさ・再現性10点(3)エンタメ性・こだわり15点となっている。