大手ハム各社は、ギフトでも環境配慮の取り組みをより加速させる。日本ハム、伊藤ハムは使用後にワンタッチで簡単に折りたためる化粧箱を採用し、贈られた側への配慮も強化した。箱の仕切りをなくすなど、包材使用量を30~40%削減する。丸大食品は今夏ギフトでは一部ブランドの化粧箱を紙使用量の少ないクラフト素材に変更し、プリマハムも歳暮に向けて化粧箱の縮小化に取り組むなど、各社着々とSDGsの観点で強化を図っている。
各社はこれまでも再生素材やバイオマス素材などの使用や包装資材などの使用量削減に取り組んできた。今夏はギフトでさらに踏み込み、贈られた側が使いやすい、保存しやすい、捨てやすいなど、贈答先が受け取った後にも配慮しているのが特徴だ。
日本ハムは、今夏は「北海道プレミアム美ノ国」「本格派」の両主力ブランドで環境配慮型ギフト箱に切り替える(一部対象外)。従来の平面的なギフト箱から、商品を重ね積むことで箱をコンパクトにした。商品を重ねて入れることで、ギフト箱のサイズを小さくでき、さらに箱の内側の仕切りをなくし、紙の使用量を旧品比約40%削減する。
箱が小さいので冷蔵のハムが冷蔵庫にそのまま入ることや、ワンタッチで箱がたためるので箱の後処理(ゴミ出し)が簡単と、贈られた側が商品を受け取った後への配慮も強化している。
伊藤ハムも簡単に折りたためる箱を今夏ギフトからまずは一部商品で導入する。対象は、同社代名詞的ブランド「伝承」を冠した新ブランド「伝承の味」全8品と「伝承」1品の9SKUからスタートする。素材はほぼ100%リサイクル可能な段ボールのみとし、さらに形状は箱蓋一体型の仕切り簡素化で包材使用量を約30%削減する。
また、いずれも簡単に折りたためることは、組み立ても簡単であることから、工場での作業性向上も期待できる。
両社は今後、大きな問題がなければ全面的に環境配慮型化粧箱に切り替えていく考え。ただ、贈答用であるため、これまでの華美な化粧箱から簡素な箱に変えることで贈答への戸惑いが想定されるが、両社ギフト箱の上面に「環境に配慮した箱」であることを分かりやすく記載し、贈る側、贈られる側の両者に訴求していく。