「お久しぶりですね。お元気ですか」。ふいに声をかけられ、顔を向けると韓国食品メーカーの日本法人社長だった。ある業界団体の総会後、4年ぶりに開かれた立食パーティーでの出来事。15年以上前に1度インタビューしただけなのに覚えていて下さり嬉しかった。これもリアルの会合ならではだと実感。
▼この企業、日本法人設立から20年余り経過した。トップは一貫して先の社長。その間の業績はまさに右肩上がりだ。韓国のエンタメ人気も追い風に、若者から中高年まで幅広い層が現地の食に関心を持った。コロナ禍では旅行できない代替需要も急増した。
▼昨年就任した韓国の尹大統領は日本との関係強化に熱心だ。首脳級のシャトル外交も久しぶりに再開。「まだ信用できない。これまで反日の政治利用が繰り返されてきた」との声は日本側に根強いが、不安定な国際情勢のもとではお互い隣国との協調を望みたい。
▼巣ごもり生活で韓国ドラマを数本見た。それを冒頭の韓国人社長に話したが、ほとんど興味がない様子。その場でほかに適当な話題は思い浮かばず。言うは易し、粋な国際交流の実践は難しい。