中村角(広島市)の23年3月期は売上高が前年比107.8%の311億2千300万円、経常利益が105.2%の2億7千100万円の増収増益。食品の値上げによる単価上昇、業務用の回復が売上・利益増に貢献した。
グループ各社の業績は協食(山口県山陽小野田市)が売上高23億7千700万円(前年比90.8%)、経常利益5千600万円(237.9%)、桑宗が売上高47億4千800万円(114%)、経常利益6千600万円(270.7%)、カクサン食品が売上高16億1千100万円(102.7%)、経常利益6千400万円(46.9%)。
業務用専業卸の協食と桑宗は中村角と同様、値上げと業務用食品の回復効果が見られた。協食の減収は、福岡営業所を中村角に統合したため。
一方、桑宗は大口得意先の商売が加わり増収だった。牡蠣エキスなど調味料製造のカクサン食品は、原料や燃料の高騰が影響し減益となっている。
中村一朗社長は6月7日、メーカー91社・165人が集まり3年半ぶりに開いた角親会で、今後の取り組みなどについて次の通り述べた。
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コロナ禍1年目の21年3月期の売上高は前年比101.8%、翌年は100.6%だった。家庭用と業務用でそれぞれ大きな動きもあったが、両者のバランスがうまくとれ1、2年目とも全体では前年並みを維持できた。度重なる値上げの3年目はその対応に疲弊する状況だったが、商品の単価アップが増収の大きな要因となった。加えて、業務用の回復が売上と利益増に効果を示した。
新年度も戦略・戦術に大きな変化はない。業務用は引き続き機動力を発揮し、小口対応しながら売上と市場占有率を伸ばす。家庭用も地域に密着した品揃えと提案営業を充実させ、得意先に必要とされる卸であり続ける。
ここ数年、物流品質の向上と受発注の改善を含めたデジタル化を推進してきた。効率化と生産性向上を図り、安心して取引してもらえる卸であるよう、健全経営と売上拡大に努める。
今年4月にJEFSAの会長に就任した。業務用はこれまで以上にJEFSAの数字を意識しながら取り組んでいく。