谷尾食糧工業が春夏限定で発売した「おうちで凍らせて食べるアイス」は、常温保存が可能なスリムパウチ氷菓。必要な分を食べる前に冷凍すればよいので店で購入して持ち帰る際に溶ける心配がなく、自宅での保存に困らない。凍らせて食べるアイス自体は馴染みのある形態だが、物価や光熱費が上がっている今、財布や環境に優しい商品として再びその機能に注目が集まっている。
今春発売した「みかんアイス」と「りんごアイス」は、それぞれ国産果汁を使用した本格派。凍らせるとシャーベットのようなサクシャリ食感と爽快感が楽しめる。凍結の目安は約8時間。1本70㎖、4本入り。オープン価格で、売価380円を想定している。
既存品には、北海道産小豆を使用した「しるこアイス」、国産米100%の麹(アルコール分0%)と白あんを合わせた「甘酒アイス」をラインアップ。食品セレクトショップで販売する留型商品は、年間数十万個を売上げるヒット商品になっている。
コロナ禍以降、保存食や買い置きが増え、冷凍庫の容量を気にする家庭は多い。また原料やコスト高騰により、アイスクリーム業界も値上げが相次ぐ。国産原料使用で1食100円以下に抑えて値ごろ感も出した。
同社は岡山県であんこの製造販売を主軸にしている。製造は秋冬がメーンのため、夏の閑散期の稼働を補う商品として投入。また食品スーパーのぜんざいやしるこ売場でも、夏に売上を作れないという悩みがあり、売場活性化を狙い開発した。「消費者、小売店、当社の3者の需要がマッチングする商品として訴求していきたい」と谷尾誠社長は話す。