JR東海はグループの流通事業を再編する。駅構内を中心に小売店舗を運営する東海キヨスクとジェイアール東海パッセンジャーズ(JRCP)を今年10月1日付で合併、「株式会社JR東海リテイリング・プラス」として新体制を敷く。存続会社は東海キヨスクで、JRCPを吸収合併する。資本金7億円。売上高は単純合算で835億円(東海キヨスク532億円、JRCP303億円、ともに22年度見込み)。
JR東海リテイリング・プラスは両社の事業を継承し、①売店・コンビニ・土産店・弁当店などの「駅構内小売事業」②カフェなどへのチェーン加盟による「フランチャイズ(FC)事業」③「新幹線車内販売事業(パーサー業務含)」④「駅弁製造事業」の4事業を運営する。
これまでキヨスクは土産品を中心に、JRCPは弁当を中心に扱っていたが、合併により駅構内店舗の集約・大型化を進め、駅利用客が土産品・弁当・飲料などをワンストップで購入できる環境を整える。
今回の合併に先立ち、両社は21年4月に名古屋新幹線上りホームにコンビニと駅弁売店を一体化した「ベルマートキヨスク名古屋幹線上りホーム店」を開設している。今後はこうした形で、駅構内における店舗の役割の見直しや統廃合・再配置などを進める。
また「旅行・出張客」「通勤・通学客」「駅周辺生活者の日常利用」といった駅利用客の多様なニーズに対応した店舗展開や品揃えを推進。さらに、地域に根づいた商品仕入れや食品製造など両社の強みをかけ合わせ「ご当地商品の品揃え強化」「できたて食材の提供」「新たなFCブランドの展開」などで駅の魅力アップを図る。