食品添加物「無添加」「不使用」表示 学生の認識に変化も ワークショップで報告

日本食品添加物協会は2月28日、都内で「第45回食品添加物メディアフォーラム」を開催した。

当日は科学ジャーナリストで東京理科大学理数教育研究センターアドバイザーの高橋真理子氏を講師に迎え、食品添加物の不使用表示ガイドラインをテーマに同大学で開いたワークショップについて報告。食品表示をめぐる科学コミュニケーションのあり方や受講後の学生の意識の変化などを紹介した。高橋氏は元朝日新聞社の記者で東京本社科学エディター(部長)や編集委員などを務めた。22年度からは東京理科大学の講座を担当している。

第1回のワークショップでは、食品表示や無添加表示ガイドラインの基本的な内容について理解を深めた。第2回は「無添加」や「不使用」の表示の実例を挙げてディスカッション。高橋氏は「添加物の不使用表示に対する学生の反応は『食物アレルギーなので食品表示はよく見るようにしている』『普段はあまり見ない』と様々。一方、母親が食品添加物を嫌っているという点はおおむね共通している」と振り返った。

第3回は日本食品添加物協会顧問の上田要一氏と日本生活協同組合連合会コープこうべ元理事の伊藤潤子氏が、それぞれの立場から取り組みや食品添加物の安全性などの考え方について講演。全3回のワークショップを終えて学生からは、食品添加物への認識の変化や「科学用語や学術用語が一般用語と異なることを意識したい」「最近取り消された食品添加物がないという事実を聞いて不安がなくなった」という声が寄せられたと語った。

第2部ではワークショップを受講した学生3人が登壇し、高橋氏とトークセッション。消費者庁による「不使用表示」に関するガイドラインの啓発ポスターの内容を題材に、学生の立場から意見を述べた。