新しい食の形「にっぽん食」 ミツカングループが日本女子大学と共創

日本女子大学とミツカングループは7日、新しい食の形「にっぽん食」の概念として「持続可能な食」「おいしくて健康的な食」「共食を通じてコミュニケーションを生む食」「日本らしさをいかした食」「味覚をはぐくむ食」の5つの「食」を発表した。2022年春から開始した「にっぽん食プロジェクト」の一年の成果として、日本女子大学家政学部食物学科の飯田文子教授、飯田研究室の学生を中心に考案した。23年度以降もプロジェクトを継続し、引き続き「にっぽん食」を探求する。

「にっぽん食」は、多様化する食の価値観や山積する食の課題に対し、様々な角度から食を捉え直すことで、これからの食の概念を表したもの。日本で古くから受け継がれてきた「和食」が食文化の多様化とともに現代の「日本食」となったように、「にっぽん食」は日本食の先にある未来の食のあり方を示す名称となる。

概念は「にっぽん食」が約束する5つの「食」としてまとめられた。「持続可能な食」は食の自給率向上や食品ロス問題を解決するとともに簡便な調理法で作り続けられること。「おいしくて健康的な食」は食べ続けられるおいしさであり、食べ続けられることで健康につながり、日本人が抱える栄養上の問題を解決できること。「共食を通じてコミュニケーションを生む食」は共食がもたらす食のコミュニケーションを通じて、食の喜びや楽しみを感じられること。

「日本らしさをいかした食」は日本の旬の食材を活かし、四季を感じられること。「味覚をはぐくむ食」は日本の調味料の良さを活かし、味覚をはぐくむおいしさであること。これらを満たしたものを「にっぽん食」と呼び、「にっぽん食」を通じて新しい食の未来を探求する。

22年度の「にっぽん食プロジェクト」では、飯田研究室の学生による若者の食意識調査、JWU社会連携科目「課題解決型ワークショップ にっぽん食を考える」などを通して、「にっぽん食」の概念を探求した。概念をもとにしたメニューも学生が考案。「にっぽん食」の概念を表現した「にっぽん食プロジェクト」のロゴも学生を中心に制作した。

日本女子大学とミツカングループは7日、都内で「にっぽん食プロジェクト」記者発表会を開いた。飯田教授、飯田研究室学生2人、日本女子大学の篠原聡子学長、Mizkan Holdingsの中埜裕子社長らが出席。「にっぽん食」の概念、さらに「土鍋パエリア」「カオマンガツオ」「ブリのかつお節焼き」「酢ナッツ和え」「小松菜の柚子胡椒和え」「ぽん酢と柑橘のゼリー」など学生が考えたメニューを紹介した。

篠原学長は「若い学生さんたちの感性が新しい日本の食文化を開いていくのではないかと大変期待している」とあいさつ。中埜社長は「未来ビジョン宣言の実現に向けた重要な活動の一つとして非常に意義があるもの」としたうえで「次世代を担う若い皆さまの柔軟かつ新しい発想を生かしながら、ともに活動していただける点がこの取り組みの素晴らしいところ」と語った。

中埜社長はさらに「(今回発表した)成果をもとに、食べ続けられるおいしさと健康の両方が備わった食を引き続き探求していきたい。この新しい食を体験いただくこと、共感を広げていくことを、日本女子大学さまとともに進めていくことができればと考えている」と述べた。