昭和産業次期社長 塚越英行氏 ワンストップ型営業体制でソリューション提案を進化

昭和産業は、このほど中期経営計画23-25説明会を開催。4月から社長に就任する、塚越英行取締役常務執行役員が抱負を語った。

塚越氏は65年生まれ、群馬県出身。慶応大理工学部卒。大学では数理統計学を専攻し、卒業後は3年間大手都市銀行で勤務。その後、92年昭和産業に入社。糖質を中心とする営業畑を歩んできた。13年に福岡支店長に着任し、製粉と油脂の営業を経験後、15年に経営企画部に異動。営業から管理部門への異動は異例だったが、経営企画部長として創立90周年に向けた長期ビジョンの策定に携わってきた。その後、19年に再び営業部門に戻り、21年からは製粉・糖質・広域営業部の担当役員を務めている。

社長就任にあたって、「新妻社長が築いてきた経営基盤を引き継き、グループの持続的成長を実現する。先行き不透明な事業環境だが、明るく元気に、未来志向で、まずは2025年の創立90周年に向けて、新中期経営計画23-25を確実に推進する」と語った。

17年に策定した長期ビジョンでは、創立90周年を迎える2025年に向けて、3度の3か年中計を経て、昭和産業グループのありたい姿の実現を目指してきた。19年度には過去最高の経常利益102億円を達成するなど順調に推移していたが、新型コロナウイルスや穀物相場高騰の影響で外部環境が激変した。

「策定に携わった長期ビジョンの最終仕上げとなる3rdステージの中計23-25を社長として推進することは宿命に感じている。何としても目標を達成し、新しい昭和産業グループの姿をお見せしたい。その先にある100周年を見据えた持続的な成長への基盤づくりにも取り組む」と意気込む。

昭和産業グループは多種多量な穀物を取り扱い、製粉・油脂・糖質・飼料の各事業と多様なグループ会社の連携によって、独自の複合型シナジーソリューションを提案できることが強み。「穀物ソリューションカンパニーとして日本一の穀物取扱量を誇り、多様な事業を展開し、同業他社に比べて取引先件数も多い。この特長を最大限に生かし、穀物のプロ集団として、最終製品を提供されるお客様の課題解決や、昭和産業だからできる新たな価値を創造していくことが成長につながる」と胸を張る。

「中計23-25」では、さらなる進化に向けた布石も打ってきた。その一つが、創業以来となる抜本的な組織再編。従来の各事業部を軸とした営業組織体制から、業態別・顧客別の営業組織に刷新し、油や粉、糖質、大豆蛋白などグループのあらゆる商品をワンストップで提案できる営業体制に切り替えていく。これまで以上にマーケットのトレンドや変化を敏感にとらえ、お客様の期待に応える複合型のシナジーソリューションをさらに「SHIN-KA」(進化・真価・深化)させていく考えだ。

国内では冷凍食品事業やプラントベース、さらには海外事業など成長分野での領域拡大も進める。「明るく元気に前向きに、先頭を走っていくことも私の役割。今の時代、一人でできることに限界もある。多様性を大事に、集合知から最適・最善の答えを導きだし、昭和産業グループのありたい姿の実現を目指す」と語った。

EU農産品  - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)