相模屋食料 ギトー食品の豆腐事業を譲受 中部で初の再建支援

豆腐トップの相模屋食料はこのほど、新たに全額出資による子会社を設立し、当該子会社がギトー食品(岐阜県関市)から同社の豆腐製造事業を譲り受けることについて契約を締結した。相模屋グループ初の中部エリアでの再建支援で、同エリアの豆腐文化継承に力を尽くしていく。

ギトー食品は1950年に岐阜県関市で創業した。長良川の伏流水を使い、味と品質にこだわった豆腐作りで地域における豆腐文化を育んできた。かつては岐阜の郷土料理である「からし豆腐」を作り、こだわりの豆腐作りで中部エリアの豆腐業界の雄とされてきた。

現在も契約栽培により厳選された国産大豆を使った豆腐などこだわりの商品も製造し、中部を代表する豆腐メーカーとして、地域の豆腐供給を支えてきた。しかし、原材料の高騰や販売単価の下落など厳しい市場環境の下、近年は厳しい経営状況が続き、昨年からのエネルギーコスト高騰も重なって、一層厳しい状況となっていた。

今回、ギトー食品から相模屋食料へ支援要請があり、関係者間で協議を重ねた結果、ギトー食品が培ってきた地域における安定供給と豆腐文化を守ることを目的に、ギトー食品の豆腐・大豆加工食品製造事業を譲り受け、相模屋グループの企業として再建を図ることで合意した。

相模屋食料は全額出資の子会社を新規に設立し、従業員を含めてギトー食品の豆腐製造事業を引き継ぐ。同社は12年5月にデイリートップ東日本を株式取得により子会社化して以降、豆腐業界の再編に向けた取り組みを積極的に進めている。