ヤグチ 3年ぶりに大阪見本市 “利益改善”提案を強化

業務用総合商社のヤグチは2月15日、マイドーム大阪にて「ヤグチ大阪見本市」を3年ぶりに開催した。会場には、150社130コマのブースを展開。外食店や介護施設、産業・学校給食関連事業者など西日本エリアの関係者ら800人余りが来場した。

メーンテーマに「単価アップで利益改善!気分が上がるレストランメニュー」を掲げ、各テーマコーナーでは現在の社会情勢やユーザーの悩みに寄り添った提案を強化した。人手不足や2024年の物流問題など外食業界を取り巻く環境に課題が山積するなか、緊喫に取り組むべきは値上げ問題。エリアによって進行度が異なり、利益が圧縮されている。

そこで「客離れが不安で値上げできない、原料レベルを下げると品質低下につながりかねない、人件費高騰で人を減らすとサービス低下になるのではないか、といった飲食店の悩みに着目して、得意先にとってメリットのあるメニュー提案を行った」(同社)。

会場中央のテーマコーナーでは、付加価値を高めて単価を上げるメニュー提案、インスタ映えなどを意識したケーキやゼリーなどデザートバイキング向けコーナーを設置した。

このほか人手不足を補うことができる調理が簡単なメニューなどを充実させ、来場者に積極的に案内した。

関西構成比を3割に 総合卸の存在感高める 萩原啓太郎社長

萩原啓太郎社長(ヤグチ) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
萩原啓太郎社長(ヤグチ)

昨年8月に就任したヤグチの萩原啓太郎社長は、2月15日の大阪見本市にて会見を行い、事業近況などについて次の通り話した。

  ◇  ◇

23年5月期の累計実績(22年6月~23年1月)は、前年より二ケタ増も、コロナ前と比べると98%。11月以降は比較月を超えるようになってきた。物量ベースは、世間同様に80~85%。得意先によって異なり、老健や介護施設が好調で、学校給食は安定しているものの、居酒屋業態では80%を切りまだまだ厳しい。85%を想定していたので、5ポイントほど遅れている。そのなかで、首都圏は戻りが早い。

関西は大口の商売が増えて全国を牽引している。東西で商流が異なり、関西は専門問屋が多い印象。関西以西は後発であるが、総合卸としての強みを発揮し、一社一社に丁寧に提案することを心掛け、その先にある帳合や新規獲得につなげていければ。メーカーの得意先の購買代行という役割をきっちりと遂行しつつ、間に当社が入っているメリットを出す。業界が育っていくためにもしっかりと提案し、トレンドを伝えていく。メーカーには、顧客の要望をフィードバックするという基本を徹底する。今期はまずコロナ前の業績に戻すことが先決。中長期的には業務用卸としての存在感を高めるためにも、売上高1千億円を目指したい。西日本の売上構成比は現在3割超だが、関西だけで3割になるようにシェアを上げていく。

東京の展示会は、Webでメニュー提案を紹介するなど非接触型でやっている。今後開催する札幌や東北においても本社同様に、展示会に来場することができなくてもWebサイトで閲覧できるように展示会との連動を強化する。メーカーも参加してよかったと思えるように改善に取り組みたい。