日本の食卓でも定着した感があるアボカド。我が家でも時々購入するが、近所のスーパーでは1個138円の山積みからでなく、冷蔵コーナーにある1個198円のものを選ぶ。理由は「食べ頃」と記されているから。目利きに自信のない我が家にとっては、60円の差が付加価値となっている。
▼この2月も多くの食品値上げが報じられた。春以降に価格改定を控える商品もまだまだあり、消費者の財布の紐はますます固くなるばかり。
▼ネットや動画では「節約してもランクを下げたくないもの」や100均・セレクトショップなどで「買ってよかったもの」「失敗したもの」といったタイトルが溢れている。こんなご時世だからこそ「外したくない」との気持ちも強まっているのだろう。
▼一方で作り手・売り手は価格競争とは一線を画した価値訴求に知恵を絞るが、価格以外の商品選択の道が狭められている人がじわじわ増えているのがこの国の現状だ。どこに付加価値を見い出すかは個々人で差があるが、その許容範囲がだんだん狭まっている危うさを感じずにはいられない。