「ブレンディ」「ちょっと贅沢な珈琲店」の役割も変化 ココロの健康に寄与してかけがえのない企業を目指す味の素AGF

味の素AGFは1日、2030年の創りたい社会と事業の方向性を定め、地球環境とココロの健康に寄与するかけがえのない企業を目指していく方針を示した。

 「コーヒー2050年問題」や世界人口が80億人に達し増え続け食料不足が懸念されているといった長期的な課題を踏まえ、その解決に貢献していくことを目指し、10年間で優先して取り組むべきこと定めて全社で共有していく。

 味の素グループでは、2050年の社会と環境変化をチャンスと捉え、ヘルスケア・フード&ウエルネス・ICT・グリーンの4つをイノベーション領域と設定。その未来からバックキャストして事業モデルの変革と次世代事業創造に取り組んでいく。

 AGFは4つの領域のうちフード&ウエルネスとグリーンの2つの領域を担う。

 1日発表した竹内秀樹社長は「コーポレートスローガン『いつでも、ふぅ。AGF』に基づき、ココロの健康とウエルネスの実現に貢献すべく一杯の嗜好飲料で提案・提供していく」と語る。

味の素AGFの竹内秀樹社長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
味の素AGFの竹内秀樹社長

 AGF公式サイトで紹介しているコーポレートスローガン「いつでも、ふぅ。AGF」には「“ふぅ”とすると、こころにゆとりが生まれる。そのゆとりは、前を向くための大切な時間です。“ふぅ”があふれる社会に向けて、ココロの健康に寄与するかけがえのない企業を目指します」と明記しAGFが進むべき方向を示している。

 グリーンの領域については「地球環境は社会の健康」と捉え、2030年までにプラスチック廃棄物ゼロ化や温室効果ガス(GHG)排出量の半減(2018年度比)を目指していくほか、循環型社会の構築と生産者支援に向けては、コプロ(コ・プロダクツ)肥料と呼ばれる味の素グループのアミノ酸発酵液肥料を主な調達先であるブラジル、コロンビアなどに提供して産地支援を継続していく。

 パーパス経営の方向性を定めたことで、「ブレンディ」「ちょっと贅沢な珈琲店」のブランドの役割も変化する。

味の素AGFの武岡正樹常務執行役員 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
味の素AGFの武岡正樹常務執行役員

 武岡正樹常務執行役員は「我々のCSV活動・AGFシェアードバリューの蓄積先としてブランドというものは非常に重要だと認識している。ブランドが強くなればなるほどお客様とのエンゲージメント・絆は深まっていく」と述べる。

 ブランド体系は現在、「ブレンディ」「ちょっと贅沢な珈琲店」のブランドの上に2階層目となるAGFのコーポレートブランド、さらにその上の最上位に3階層目となる味の素グループが位置づけられている。

 「グループのコーポレートブランドとの支援と貢献の関係をより強めていき、どのようにコミュニケーションすれば効果性が高まるのかを現在検討している状況」という。

 味の素AGFは今年8月1日に創立50周年を迎える。

 竹内社長は「我々の強い分野に傾注して果敢に価値創造と価値向上を図り市場を活性化していく。インスタントコーヒーの詰め替えやスティックなど我々のフロンティアとして創造してきた市場を、フロンティアのプライドを持ってさらに強化していく」と意欲をのぞかせる。