伊藤ハムは1月26日、春の家庭用商品メディア向け発表会を開催した。各食品が値上げとなる厳しい市場環境下では、「慣れ親しんだブランドに消費者は流れる」(米田雅行伊藤ハム米久HD常務)傾向を予測し、方針の一つとして既存ブランド強化を各種で図る。特に「ポークビッツ」が35周年を迎え、各種販促を実施するほか、チルドピザに展開を広げる。また、「グランドアルトバイエルン」は、あらためて焼き方などの調理方法をブランドサイトなどで訴求するほか、パッケージ表面に「たんぱく質量」を表記する。消費者のたんぱく質への関心が高まる中、「たんぱく質を意識する機会の頻度を上げ、購入のサイクルを高めたい」(同社)狙いがある。
ポークビッツは発売35周年。同社は「35年には特別な意味がある」とし、理由は発売当時の子どもが親世代になり「今のターゲット層」に合致してきたこと。懐かしい味を訴求しながら消費者キャンペーンなども展開していく。また、周年記念商品として「ポークビッツピザ」を発売する。ピザのメーン購入者が40~60代のため新たに30代の取り込みを狙う。
「グランドアルトバイエルン」の調理方法訴求の背景には、同社の調査で、高い確率で「推奨調理と異なる」状況が分かり、調査対象者が手順通りの焼き方で実践したところ、非常に美味しいと回答した割合が約倍になった。
また、おいしさ格上げ術として「弱火で6分じっくりコロコロ」焼くことで、「皮がぷっくり張る」「表面に艶がでる」とブランドサイトなどで訴求していく。
また、たんぱく質のパッケージ表記は、これまではサラダチキンにとどまっていたが、23年春から他の一部商品に広げ、グランドアルトバイエルンは「たんぱく質11.7g(100g当たり)」と表記する。
その他、「朝のフレッシュ」の糖質0&減塩シリーズは塩分カットの割合を25%から30%に高める。発売89年のポールウインナーで長年使用した添加物の赤色102号は、コチニール色素に変更する。高価格帯の「神戸シリーズ」は発売25周年、調理加工品ハンバーグの「旨包」については発売10周年で、それぞれリニューアルを実施する。