チェーンストア 食料品1%増 年後半にかけ回復傾向
日本チェーンストア協会が発表した2022年(1-12月)のチェーンストア販売額(会員企業56社、1万683店舗)は、全店ベース0.4%増(13兆2千656億円)、既存店1.9%増と3年連続のプラスとなった。
構成比7割を占める、食料品は総販売額9兆1千593億円、全店1%増(0.2%減)。内訳は農産品0.1%増(1.1%減)、畜産品0.1%減(1.5%減)、水産品1.9%減(3.1%減)、惣菜3.9%増(2.4%増)、その他食品1.3%増(0.3%増)。
衣料品は全店0.7%増(4%増)。住関品4%減(6.9%増)、日用雑貨が6.4%増(12.4%増)と伸長した。
昨年は3月にまん延防止等重点措置が解除され、4月以降、食品は内食化需要の反動が見られたものの、原材料価格の高騰および円安で値上げが相次ぎ、年後半にかけては店頭価格の上昇が進み販売額を押し上げた。
食料品の四半期別売上高は1-3月3%増(2.1%増)、4-6月1.8%減(2.8%減)、7-9月0.7%減(1.8%減)、10-12月3.5%増(1.9%増)。
なお、( )内は既存店前年比。
食品スーパー 全店では微増も既存店は2年連続減
食品スーパー3団体(全国スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会)がまとめた22年1―12月の年間売上高(速報値、全店ベース)は11兆8千69億円、前年比0.8%増となった。既存店ベースの売上高は11兆5千574億円、0.5%減。
食品は総売上高10兆6千816億円(構成比90.5%)、前年比0.7%増(0.6%減)。生鮮3品計0.3%減(1.7%減)。青果0.4%増(0.8%減)、水産2.2%減(3.6%減)、畜産0.1%増(1.4%減)。惣菜4.4%増(2.7%増)、日配1.2%増(±0)、一般食品0.3%増(0.9%減)、非食品0.1%減(0.9%減)、その他4.7%減(4.6%減)となった。
エリア別は、北海道・東北1.6%増(0.6%増)、関東0.3%増(1.3%減)、中部1.8%増(0.1%増)、近畿1%減(1.8%減)、中国.四国2.5%増(0.8%増)、九州・沖縄5%増(4.8%増)。
保有店舗数別は▽1~3店舗1.7%減(1.9%減)▽4~10店舗4%減(3.9%減)▽11~25店舗0.5%増(0.9%減)▽26~50店舗1.2%増(0.4%減)▽51店舗以上1%増(0.3%減)。
なお、( )内は既存店前年比。集計企業数は270社。
コンビニ コロナ前上回り過去最高の売上げ
22年のコンビニ売上高は全店ベースで前年比3.7%増となり、過去最高を記録したことが日本フランチャイズチェーン協会のまとめで明らかになった。
コロナ前の19年比では1.5%増と完全回復。既存店ベースでは前年比3.3%増で、初の10兆円台を記録した。
また客数は全店ベースで4年ぶり、既存店は7年ぶりのプラス着地。客単価は全店8年連続、既存店で9年連続のプラスとなった。
コロナ禍も背景とした近年の社会環境変化に合わせた品揃えへの転換が各社で進み、コンビニの新しい使われ方が定着。ワンストップでの買い物が増えたことに加え、行動制限の解除に伴う人流回復への対応も奏功したものとみられる。
単月の実績では、2月はまん延防止等重点措置が一部地域で適用され既存店が前年を下回ったものの、3月以降は同措置が解除され回復傾向に。10月以降は全国旅行支援の効果などから前年を大きく上回る結果となった。
百貨店 都市部で回復進む コロナ前の9割に
百貨店の22年売上高は13.1%増と2年連続で伸長し、4兆9千812億円(日本百貨店協会集計)。19年比では11.1%減とコロナ前の9割弱まで戻しており、回復基調がより鮮明に。インバウンドは10月の大幅な水際緩和により148.5%増(1千142億円)と3年ぶりにプラスに転じたが、19年比では67.0%減と依然低迷している。
都市部全体では16.9%増。東京19.7%増、大阪22.4%増、名古屋12.9%増など、インバウンド回復の恩恵を受けた大都市を中心に二ケタの伸びを見せた。その他の地区全体では3.5%増にとどまっている。
商品別にみると、食品は4.4%増。菓子(12.1%増)が牽引したほか、惣菜(8.0%増)、酒類やグロサリーを含むその他食料品(4.4%増)も堅調だった一方、生鮮(2.3%減)は引き続き減少した。