「コンセプト乾物」を新提案 多様な食シーンで活躍 ブルーチップ

ポイントカード関連事業やスーパーマーケットサポート事業などを展開するブルーチップ(東京都中央区・宮本洋一代表取締役社長)は、「時短」「食品ロス削減」「健康」をテーマにした初のオリジナル食品である乾燥野菜3種の一般販売を、3月頃から順次開始する。自然災害時のローリングストックやアウトドアなど様々な食シーンで活躍する大容量タイプの「コンセプト乾物」の新たな切り口で、乾物市場の拡大と社会貢献を目指す。

「乾燥野菜ミックス 焼そばをおいしくする具」(210g)は、1袋当たり生野菜およそ2.5㎏分が摂れる。大きめにカットしたキャベツなど焼そばの具材に適した5種類の乾燥野菜(キャベツ、チンゲン菜、玉ねぎ、人参、コーン)を使用し、水で約10分間(熱湯3分)戻せばラーメンやパスタ、八宝菜の具材などに活用可能。

「同 炒飯をおいしくする具」(180g)は、生野菜約1.4㎏分。炒飯の具材に適した4種の乾燥野菜(刻み玉ねぎ、コーン、人参、ネギ)で、チキンライスや餃子、ポテトサラダなど手軽に楽しめる。「乾燥野菜アラカルト 刻み玉ねぎ」(200g)は、1パックで玉ねぎ(中玉)約9個分。食材の水分で戻すことができ、栄養価はそのままにドレッシングやスープ、ハンバーグなど時短調理に貢献。いずれもオープン価格で、小売店店頭価格は890円ほどを想定している。

17日の発表内覧会で宮本社長は、食品ロスや簡便調理の需要拡大を背景に「冷凍食品とともに乾燥食品は必ず時代のニーズにマッチングする」ことから、社会に役立つ商品を目指したと説明。「いずれは廃棄野菜を使用することでSDGsや食料自給につながるような商品にしたい」とし、60周年を機に立ち上げたフード事業部での展望を語った。

サンヨー食品販売の元副社長で、現在ブルーチップ社フードアドバイザーの杉村壽哉氏は、「乾物には際立った商品がなく広がりが出せないという小売店からの声を受け、「調理シーン」に切り口を変えた」と開発コンセプトを紹介。一部の大手GMSや食品スーパーでは乾麺や米コーナーなど売場を広げたテスト販売を実施している。

製品は国内のISO22000認証工場で最終加工し、1年間の長期保存が可能。「和風乾燥野菜」や「カレーで使える乾燥野菜」など、新たなラインアップを要望する声も多く、小売からの期待も上々のようだ。