着実回復のインバウンド

ホテルのビュッフェが回復し揚げ物が売れるようになったと業務用卸の担当者が話していた。なかでも好まれるのが三陸サーモンのフライ、淡路島玉ねぎのコロッケといった産地がうたえる商材で、旅行者に人気という。レトルト食品を展開するメーカーはコロナ禍の間、着実に認知度の高まったプラントベースフードに本腰を入れる時が来たと期待する。見据えるのはインバウンド消費だ。

▼観光庁の統計によると、昨年11月の国内の延べ宿泊者数は4千570万人。7月以降、4千万人前後で推移する。前年比は月によってばらつきもあるが、19年比では9月が81%、10月が89%、11月が92%と月を追うごとにコロナ前の水準に近付いてきた。

▼顕著なのが外国人宿泊者である。9月が81万人、10月が212万人、11月が400万人と、ここ3か月は倍増ペース。9月までは19年比で1割にも満たなかったが、10月は2割、11月は半分近くまで戻ってきた。

▼「まだ半分」と言えばそれまでだが、何かとマイナス志向になりがちなこの年明け。悪い話ばかりでもないと思い込みたい。