活発化する恵方巻商戦へファミリーマートは特典付きの予約の推奨と品揃え強化で臨む。
売上目標について、13日発表したファミリーマートの富樫信人執行役員商品本部長補佐(兼)デリカ食品部長は「今年は人流も回復して110%%以上を目指す。特典をつけて固定のお客様を抱え込んで伸長につなげていきたい」と意欲をのぞかせる。
予約推奨の施策として、現在、恵方巻チラシに掲載されている予約商品を含む税込888円以上の購入者にカップみそ汁1品の無料引換券をプレゼントしている。
ファミマのアプリ「ファミペイ」も活用して予約を推奨。
「ファミペイ」のバーコードをレジでスキャンして予約商品を購入すると1品購入ごとに「ファミペイ」内でファミペイボーナス最大3000円相当が抽選で当たる内容で実施している。
品揃えは「選べる幅を広げて、お客様のご来店を誘引していく」との考えのもと、海鮮系・銘店監修などの恵方巻のトレンドおさえてバラエティを強化。
今年の目玉商品は、予約困難な焼肉店とされる「肉山」とコラボレーションした「『肉山』監修 2929恵方巻」で、価格は縁起のよい末広がりを意識して税込み888円に設定。
同商品は、3種のジャン入り焼肉のたれと絡めたアンガス牛の炭火焼と、ヤンニョンジャンのたれを混ぜ合わせたキムチ入りの恵方巻。
監修した「肉山」の光山英明店主は「10回以上試作し、試行錯誤を重ね、やっと納得のいく恵方巻ができた」と胸を張る。
これに次ぐ目玉商品は、22年販売金額1位の「海鮮恵方巻」の具材をさらに贅沢に仕上げたという「贅沢海鮮恵方巻」(税込1280円)。
そのほか「海鮮恵方巻」「恵方巻」「サラダ恵方巻」「ミニ恵方巻2本セット」やスイーツをラインアップしている。
恵方巻市場は、年によって若干の凸凹があるものの、2000年から縁起物ニーズの高まりで右肩上がりに成長している。
縁起物ニーズの高まりは不安感の高まりに伴っているとみられ、コロナ禍の20年以降拡大を続け22年は前年比111.3%と推定される。
市場動向について、ファミリーマートの掛谷守如(もりゆき)商品本部デリカ食品部米飯グループ寿司担当は「11年頃からバラエティ化が進み、フードロス問題で一時期落ち込んだものの、その後再び伸長傾向にある。特にコロナ後に縁起物として注目されるようになった」と語る。
トレンドについては、海鮮系の人気で高額化していることに加えて「最近はカットされていない商品のほうが多い。4、5年前はカットされた商品が流行ったことがあったが、総じて売れなかった。やはり縁起物であるので、カットするにしてもお客様が自ら切りたいのだと思う」(掛谷氏)と説明する。