店内調理の弁当・惣菜を提供するローソンの「まちかど厨房」が約9000店舗に拡大した。この数は厨房スペースを持つ小売店としては国内最大規模となる。
「まちかど厨房」は、大変革実行委員会のプロジェクトの1つ「厨房プロジェクト」の取り組みで2011年から一部の店舗で店内の厨房スペースを使って調理を行っている。
今後の方向性について、取材に応じた竹増貞信社長は「22年度内(23年2月末日まで)に約1万店舗規模への拡大を目指す。店内厨房スペースを活用した新事業として宅配調理事業(ゴーストレストラン)や『MACHI café+(マチカフェプラス)』も開発しており、ニーズのある地域での展開拡大を目指している。厨房事業はローソンの強みであり、成長戦略の要の一つとしてさらに強化していく」と語る。
宅配調理事業は、デリバリー専用として新たに開発した商品を、店内の厨房で調理して配送するサービス。
利用者がUber Eatsなどのアプリを通じて注文し、店舗では注文を受けた後に調理を行うため出来立ての商品を提供することが可能となる。
同時に朝食やランチ需要に合わせて調理を行っている店内厨房の空き時間活用にもつながる。
アプリ上の店舗名表記は「ローソン」ではなく、来店客が好みの商品を選びやすいように商品に合わせた別の店舗名(屋号)となっている。
現在の店舗数は約10店。23年2月末に関東圏100店舗、25年度に全国1000店舗への導入を視野に展開を進めていく。
一方、「マチカフェプラス」は、店内厨房スペースを活用して新たにフレッシュバナナ、冷凍フルーツなどを使用した“デザートドリンク”を提供するカフェ事業で、現在の店舗数は5店。22年度中には関東地区の13店舗、25年度までに全国の500店舗での展開を目指している。
なおローソンは、アフターコロナに必要とされるコンビニになるため、2020年10月に、12のプロジェクトと全社脱炭素活動からなるローソングループ大変革実行委員会を立ち上げ、商品・売場・SDGs・データ活用・収益力向上など様々な分野に関する施策を進めている。