海外に販路求める中小食品メーカー 日本食ブーム、円安追い風に

渡航制限の解除や円安基調が続く中、このほど東京ビッグサイトで「“日本の食品”輸出EXPO」が開かれ、海外バイヤーや国内商社が買い付けに訪れ、商談に熱が入った。慢性化した人口減少や原材料の高騰で悩む国内食品会社。「特に中小業者は危機感を持っており、海外に販路を求めるのは当然」と菓子メーカー。円安で日本の製品が仕入れやすくなった環境だけにチャンスとみている。

会場では発酵系の味噌・醤油やせんべい、和菓子など菓子類、抹茶など日本茶、地方発の調味料など日本古来の食品に興味を示し、海外で話題のオーガニック食品やプラントベースフードなどサスティナブルゾーンも来場者で賑わった。期間中の海外来場者は約3割とみられる。タイから訪れたレストラン経営者は、「受け入れ業者がいないとビザが下りないため来日には手間取ったが、ぜひ展示会で商談につなげたい」とし、海外とのオンラインで商談もみられた。

政府は農林水産物・食品の輸出額を2025年までに2兆円、2030年までに5兆円を目標とし、このうち21年に約4千600億円あった加工食品の輸出額を30年までに2兆円達成を目指している。輸出には食品添加物や包材、包装、表示などの規制が厳しい。EUは、昨年から動物性原料および植物性原料からなる加工食品を「混合食品」として規制を開始し、プラスチック包材も25年までに50%を目指すなど環境を重視。食品産業センターでは昨年度より輸出先国の添加物や容器などの規制調査を開始した。

出展社のUMAMI UNITED JAPANは、アレルゲンフリーの植物性たまごパウダーを開発し、プラントベースフードが進んでいる海外でも売れると自信。紀文食品は「糖質0g麺」で海外需要に期待。「あいや」はオーガニック抹茶を強調。三井農林もミルクティーで海外に販路を求めている。海外売上比率が6割のハタ鉱泉(大阪)は、中国や米国向けに「ジャパニーズ マーブル ポップ」として知られているラムネのフル生産を開始した。オタフクソース(広島市)は、日本食ブームが追い風になり、海外向け商品が20%近く伸びていると言う。

乾麺の海外展開を目指す播州乾麺輸出拡大協議会は、4人の女性キャラクターがそうめん、そば、うどん、ラーメンに扮してアピール。「日本文化の象徴であるキャラクターを起用することで海外の方に播州素麺の認知を広げたい」(井上位一郎代表)と制作した。海外で和牛、日本茶、水産物、日本酒などを重点的にプロモーションしている「JFOODO」は、海外での日本食のブランド化を促進。長野県産業振興機構は、県内の輸出希望者を募り、みすずコーポレーションやナガノトマトなどが参加した。

5月8日は「#ぬか漬けの日」アイデアレシピ大募集
優秀作にはプレゼントも