食材価格の高騰が学校給食にも影響を与えている。学校現場では栄養バランスを維持しつつ、少しでも原価を抑えるために、安価な食材への切り替えやメニューの見直しなど苦渋の選択を迫られている。
▼油脂や小麦粉などの値上げが相次ぐ中で、「質と量の維持は限界」と一部の自治体では原価上昇を支援する動きもあるが、給食の食材費は保護者の負担で成り立っており、値上げに躊躇する自治体も多い。政府も対策に乗り出し、4月の「原油・物価高騰等総合緊急対策」で新型コロナ地方創生臨時交付金の活用事業に食材費高騰による学校給食費の負担軽減を盛り込んだ。
▼臨時交付金の活用には各自治体からの申請が必要だが、通知から間もないこともあり情報が行き届いていない自治体も多い。先月20日には、給食用食材卸で組織する学校給食関連三団体(日給連・全給協・学流協)が岸田総理と面会。制度の有効活用に向けて周知徹底をあらためて要請した。
▼給食用食材の高騰は、国会でも取り上げられ、世間の関心も強まっている。原材料価格は秋以降、さらなる上昇が避けられない中で、物価・経済対策は参院選の争点になってきそうだ。