「カンブリア宮殿」で紹介された猿田彦珈琲 「実は今年が人生最大のピンチだった」と大塚代表が振り返る 来年は反転攻勢へ意欲

11月にテレビ東京系列の「カンブリア宮殿」で紹介された猿田彦珈琲。

 その反響は上々で好調だった小売商品も勢いが加速しているが、12月10日、取材に応じた大塚朝之代表は「実は今年が人生最大のピンチだった。それまでお金を使い過ぎたせいもあり、前半は本当に大変で、6月からは上向きとなり、11月の『カンブリア宮殿』で紹介されて、“逆転満塁ホームラン”で勢いをつけることができた」と振り返る。

 店舗の業績は、前年比は6月に80%後半、7月90%前半まで回復し、8月と9月にデルタ株の影響もあり再び苦戦したものの、10月からは100%を越えて11月以降は「カンブリア宮殿」の放映を追い風に勢いづいている。

 小売商品は、一部コンビニやスーパーマーケットなどで発売しているチルドコーヒーやドリップコーヒーが好調を維持している。

 「ブラジル豆が高騰し動向には注視しているが、もともと高いコーヒー豆を使っているためそんなに大きな影響はなく後ろ向きには捉えていない。ブラジル豆は今年調達量を増やしたが、来年も増やしていく」との見方を示す。

 来年は反転攻勢に出る。

 4~5店の新規出店を計画するとともに小売商品を強化してコーヒー豆の取扱量を増加していく。
 これにより、消費者に対し「手に取りやすい価格帯で素晴らしいものを提供していく」。

 同時に、これは生産者と猿田彦珈琲にとっても嬉しい“三方よし”の仕組みでもあるという。
 「少量ずついい豆を購入するだけでは、優良なコーヒーを作る小農家は生活を安定させることはできない。ある程度まとまった量の豆を買い付けることで、農園経営の安定化に貢献し持続可能な関係性を築きたい」と語る。

 今後も理想の店舗を追及していく。
 「お客様に“いい体験だったな”と思ってもらえるようにすることが重要。そもそも猿田彦珈琲はそのために立ち上げたブランド(コーヒー屋)で、そう(いつも)思ってもらえるように、店舗・小売ともに毎年ブラッシュアップしていく」と意欲をのぞかせる。

 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)