大塚食品は、お米と混ぜて炊くだけで糖質とカロリーがカットでき食物繊維も摂取できる、こんにゃく生まれの米粒状加工食品「マンナンヒカリ」を改良し、9月から順次発売する。
「マンナンヒカリ」は健康志向にマッチした中身が特徴。お米に水とともに加え軽くかき混ぜて炊飯することで、普通のご飯に比べて糖質とカロリーを30%カットし食物繊維も摂れる。
18年に、糖質カットの訴求ポイントをパッケージに追加記載し店頭でトライアル施策を実施したところ、20年は18年比で15%伸長した。拡大に伴い糖質カットの価値がじわりと浸透する一方、消費者から寄せられる「もっと白米のような弾力がほしい」「より食べやすい食感にしてほしい」といった声を受け、今回リニューアルに踏み切った。
2日発表した大塚食品の伊藤紫麻製品部プラントベース事業マンナンヒカリ担当PMは「カロリー低減や食物繊維の摂取はおかずで調整できるが、ご飯の糖質はなかなか減らせない。『ご飯を食べるのを我慢しなくていい』とのご評価いただく一方で、『少し食感が気になる』といったお声をいただき、その点を踏まえてリニューアルした」と説明する。
リニューアルでは「よりお米に近いもちもちとした食感に改良」。これにより、おにぎりなども作りやすくなりパッケージ裏面で調理例を紹介している。
リニューアルにより摂取できる食物繊維量は若干増え、1膳(150g)で食物繊維5.3g摂れるようになっている。
パッケージも刷新。「ご飯で特に気になる糖質カットを目立つようにし、毎日のご飯で無理なく糖質コントロールできることを伝えていく。シズルも普段の食卓がイメージしやすいようにした」という。これにより、既存ユーザーの満足度向上・休眠ユーザーの掘り起こし・新規ユーザーの獲得を図る。
発売20周年の今年、期せずしてコロナ禍の影響で生活者の行動スタイルやニーズが大きく変わり、健康意識がかつてないほど高まっていることを追い風に積極的なマーケティング活動を展開している。特に、在宅時間が長引くことで運動不足による体重コントロールへの意識が高まっていることに着目する。
同社が昨年実施したユーザーインタビューによると、一部で「ご飯が大好きで食べたいけど糖質が気になりご飯を抜いたり分量を減らして食事をしている。しかし、なかなか継続できず断念してしまう」消費実態が浮き彫りになった。
「ご飯抜きはなかなか続かず、周りのご家族も気をつかうようになる。そうした中、『マンナンヒカリ』を加えることでご家族も気をつかわず自身も罪悪感なく食べられるというお声があり、おいしく無理なく糖質とカロリーをカットできることを今後も訴求する」と意欲をのぞかせる。
コミュニケーションは、引き続き北斗晶さんをイメージキャラクターに起用し、ブランドサイトを中心にWebや雑誌、SNSで認知拡大を図り、ECと店頭で露出拡大を図る。
なお、糖質・カロリーのカット率に変更はない。現行の33%がリニューアル後に30%となっているのは、お米の糖質・カロリーの基準値として参照している「日本食品標準成分表」が改訂となったため。