イオンリテールは、従来からの新型コロナウイルス感染症防止対策に加えて、自粛生活が続く中、より安心で便利に買物ができる取り組みを拡大している。イオンネットスーパーでは、一時的な対応として注文時に「非対面での受け渡し希望」とコメント欄に記載すると非対面で商品を受け渡す「置き配」を実施する。
ネットで注文した商品を店頭で受け取る「店舗受け取りサービス」は既に一部店舗で実施し、これを24店舗に拡大。同じく一部店舗で実施しているネット注文品を入店せずに駐車場で受け取る「ドライブスルー受け取り」も今後順次拡大する。
イオン薬局では、医療機関で受診された患者への電話による薬の説明やFAXでの処方せん受付、薬の宅配便を実施する。4月26日から大阪府35店舗で14~15時の時間帯に実施している「ゆうゆう優先対象レジ」の設置は約210店舗に拡大。優先レジの対象は、妊婦、乳幼児を連れている人、高齢者、体の不自由な人、ヘルプマークをつけた人としている。
「配達員でも家に来てほしくない」顧客に対応
イオンリテール東海カンパニーが運営するイオン熱田店では1日から、ドライブスルー受け取りサービスを開始した。
新型コロナウイルスの感染拡大で、東海カンパニーではネットスーパーの売上げが1、2月に比べて3月以降は1.8倍に急騰。しかし、利用者からは「配達員でも家に来てほしくない」「好きな時間に受け取りたい」などの要望があった。
今回、イオン熱田店では、ネットスーパーの利用者が他の地区に比べ多いことに加え、ドライブスルーを提供できるスペースがあるなどの理由で導入を決めた。
エリア内では三重県のイオンスタイル津南店で18年11月に導入し、利用者が増えている。
ドライブスルー受け取りは、まずネットスーパーでほしい商品を注文し、受け取り時間を指定する。即日の受け取りも対応している。
指定時間内に店舗南側の専用スペースに到着後、記載されている電話番号に連絡すると、フェイスガードとマスクで防護したスタッフに自動車のトランクなどに積み込んでもらえる。
このほかイオンスタイル岡崎南店では5月1日からネットスーパーで注文した商品をピックアップカウンターで受け取れるサービスも開始している。
営業推進部の小澤俊彦部長は「3密を回避して安心して買物ができるようにニーズの多様化に対応していく必要がある。地域のライフラインとしての使命を果たしていきたい」と話している。
一方、「ゆうゆう優先タイム」は、東海カンパニーでは愛知、岐阜、三重の41店舗で導入されている。当面の間続けていく予定で、今後はほかの地区でも広がっていくとみられる。
同社では、グーグルマップなどで店舗ごとの混雑時間を掲載しているほか、レジに並ぶ際、距離を保ってもらうため立ち位置を表示するなど「密閉・密集・密接」を避けるための取り組みを展開している。