オレンジにはビタミン類のほか、オレンジ特有の神経疾患、心疾患、精神疾患対策に有効な抗酸化物質が含まれていることが臨床試験で判明している――。
オレンジジュースの消費量が減少する日本市場に風穴を開けるべく、世界最大級のオレンジ搾汁会社・クトラーレの幹部が来日。11月27~29の3日間開催された「第4回ドリンク ジャパン」で講演を行ったほか、パートナー企業であるエム・シー・フーズとともにブースを出展して日本市場に向けて初めてオレンジの魅力をアピールした。今後も継続してアピールしていく構え。
取材に応じたクトラーレでコマーシャルディレクターを務めるシルビオ・ロスナー氏は「消費量は下降の一途を辿っているが、日本市場は重要な市場のためプロモーションを行っていきたい。オレンジには100%果汁以外にさまざまな用途があり、べネフィットもたくさんある。このことを伝えることによって消費量は伸びていく」との考えを明らかにした。
クトラーレはアメリカ・フロリダ州とブラジル・サンパウロ州とミナスジェライス州に大規模農園と工場を持ち、6隻の巨大専用タンカーが巡航し世界各地の自社ジュースターミナルにオレンジ果汁を供給している。
日本では愛知県豊橋市に93年のオレンジ輸入自由化時に建設されたジュースターミナルがある。
クトラーレは世界のオレンジ果汁量の約35%のシェアを握る。日本では輸入を一手に引き受けるエム・シー・フーズを介して飲料メーカーなどに供給されている。2番手はシトロスーコでクトラーレと拮抗。「ほぼ同規模のため年によっては勝ったり負けたりしている。ただし管理している農園の規模は当社のほうが大きい」という。
クトラーレは、アメリカ・フロリダ州に5千haの大規模農園、ブラジルのサンパウロ州とミナスジェライス州にまたがるシトラスベルトに自然の植生と調和した形で10万haの超大規模農園を持つ。
農園から消費地までのサプライチェーン(SCM)を担当するアダオ・トレス氏はSDGsの考え方を重視。「農園・消費者・環境によいものをいかに供給していくかが当社のミッションの一つと考えている。持続可能なピッカー(収穫者)の管理やSCMの構築に取り組むことで次世代につなげていく」と述べる。
オレンジの木の持続可能性を考え、収穫は全て手摘みで行っている。総従業員数2万1千人強のうち1万5千人強が収穫専門で従事している。
フロリダの農園では、カンキツグリーニング病が蔓延。その対策としてシルバーカーペットを敷き、太陽光を木に反射させることで、カンキツグリーニング病を媒介する昆虫が木にかみつかないようにしている。
加工はフロリダの2工場とブラジルの5工場で行い、1分間に500個搾汁する機械などを備えている。
加工前には、品質担当者がトラックの荷台単位で果実を選別する。基準に満たない果実が一つでも見つかるとトラック1台分の果実が不合格となり生産者に戻される。
農園の6割が自社農園、残りがパートナーの農園で構成されている。
今後の日本での展開にあたっては、エム・シー・フーズの役割に期待を寄せる。
「パートナーシップをより強固にして市場で求められているものと当社で供給できるものを合致させることが重要」(ロスナー氏)「三菱商事時代からの25年以上にわたって築かれた信頼関係が強み。オレンジの専門的なことをしっかり消費者に伝えてもらえる」(トレス氏)とそれぞれコメントする。


