スナック/シリアル市場 昨年は明暗 主力の成否が勝敗分ける

スナックとシリアルの2018年度市場動向は明暗を分ける形となった。スナック菓子は数量2.9%増、金額2.0%増と17年度に続き堅調に推移したが、シリアルは数量3.4%減、金額2.4%減とマイナスした。スナックは総務省家計調査でも18年全国1世帯(2人以上)の消費支出が4.0%増と伸長している。これはポテトチップスが過去最高の出荷額となったことと連動する。一方、シリアルは16年まで急成長してきたグラノーラがここ2年頭打ちとなっていることが大きい。

スナック菓子では、16年の台風影響でじゃがいもの主産地である北海道の収穫量が激減したため、17年春の店頭で一時期ポテトチップス製品が消える事態となったことが記憶に新しい。スナック原料に基づく割合は04年がポテト系50%に対してコーン系20%だったが、18年にはそれぞれ60%と15%と変動し、ファブリケートポテトも10%程度と若干低下した。17年は馬鈴薯減産により、コーン系が一定の代替機能を果たしている。

このポテチショックにより、17年はポテトチップスの生産数量が大きく落ち込んだ半面、その穴を埋めるように、ファブリケートポテト(成型)やコーン系スナック、小麦系スナック等が急増した。スナックのみならず米粉を使用した米菓製品もポテチショックの恩恵を受けた。しかし18年に馬鈴薯の収穫が回復すると、ポテトチップスの生産・出荷が従前を上回る増加に転じたため、17年とは全く逆の構図となった。

18年のポテトチップスは、金額ベースで80億円増、対前年比6.0%増の総額1千672億円と過去最高の出荷額を記録している。野菜系等その他スナックも63億円増加した。その半面、コーン系スナックは63億円減少、対前年比13.3%減の414億円まで落ち込んでいる。小麦系スナックも25億円マイナスの224億円だった。

この結果として、スナック菓子トータルでは数量ベース23万7千t、金額ベース2千738億円と過去最高の数値を更新している。それだけ、スナック菓子全体の金額ベース約6割を占めるポテトチップスの復調がもたらすプラス効果が大きかったことにほかならない。

シリアルに関しては、11年から16年にかけて約7倍の急成長を遂げてきた。グラノーラは10年前の09年度金額ベースでシリアル全体の17%を占めるに過ぎなかったが、ピーク時の16年には構成比71%と一気に高成長し、18年でも構成比67%と最大カテゴリーであることには変わりがない。

ただ、グラノーラに関しては中国など訪日外国人が購入している分を除いて、純粋に国内市場だけを見れば、この2年間も大きな変動はなく、市場にしっかり定着している感もある。実際問題として、グラノーラ最大手であるカルビーは昨年、北海道と京都にグラノーラのライン設置・増強を行い、主に中国向けの輸出を拡大しており、海外市場の拡大を進める。

カテゴリー的にはグラノーラの伸長に対して漸減傾向にあったコーンフレークが18年は数量7.3%増、金額3.5%増と久しぶりに前年を上回った。それでも、スナックは最大ジャンルのポテトチップスの伸長で拡大したが、シリアルは最大ジャンルのグラノーラが沈み、減産・減収が避けられなかった。つまり、それぞれの市場のメーンカテゴリーの動向によって成否を分けた形となっている。