平成に入ってしばらく経っても「今年は昭和で言うと〇〇年になる」と言う人が割りといた。平成に馴染めないのか、長かった昭和に愛着がありすぎるのか、聞かされる方は「へぇー」としか言いようがなかった。
▼元号は日本独自のものだけに国内において共通だが、海外で仕事をすると陰暦を使っている人に遭遇することもある。特に魚群探知機など持たない古い漁師は陰暦の方が理にかなっているらしい。太陽暦の側が「明日の25日に」と言うと、陰暦側は「明日は17日だ」と返ってくる。両方とも正解だが話が進まない。大抵は太陽暦側が察して頑固な陰暦側に合わせることも多かった。
▼宇宙感覚では時間そのものが伸び縮みするらしいが、地球上では少なくとも同じ時間軸で生きていける。すべての思い出も過去の時間内にある。
▼テレビ、新聞では平成の思い出を振り返る回顧企画が多くなり、職場や家庭でも自然と話に花が咲く。世代間のギャップなども楽しみの一つ。食品市場も随分と変わった。さて、令和はどんな時代になるか。いよいよ平成も残り数日となった。