ユニー・ファミリーマートHDは9月1日付で100%子会社のファミリーマートを吸収合併し、社名を「ファミリーマート」に変更することを10日に発表した。
パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH=旧ドンキホーテHD)にユニーとその子会社を譲渡したことにともなうもの。ユニー・ファミマHDは16年9月のユニーグループHDとの経営統合に際し、「ファミリーマート」から現社名に変更した経緯がある。CVSとGMSを傘下に置く持株会社から、今回の合併でCVS一本の事業会社へと事実上復帰。社名も元に戻る形だ。
5月1日付で高柳社長は代表取締役会長に、澤田貴司副社長(現ファミリーマート社長)が社長に就任する。
決算会見で高柳社長は「HDと事業会社という二重構造はしっくりこなくて、心地が悪かった。19年度の方針の一つである『スピード重視』には全く向かず、早い時期にこれを一緒にしたいと思っていた」と説明。PPIH株式の2割取得を目指したTOBは不調に終わったものの、同社との連携に関しては「方向性はこれまでと全く変わらない。両社で意思統一しており従来の方向を今後も目指していく」としている。
また同社では、今期の重点施策として加盟店支援を強化。この一環として6月から時短営業実験を拡大実施する。東京・長崎・秋田の一部エリアのうち希望する加盟店に参加を呼び掛ける。
澤田社長は「以前に実施した時短実験は直営店のみで、加盟店の意思はまだ確認していない。検証結果や時短を実行した場合の可能性について伝えたうえで判断してもらうもので、立地などいろんな要素から正しく判断せねばならない。これまでの実験とは全く質が違う」と説明。参加意向を示すFC店の数や日販、コスト、収益への影響、配送も含む全体のオペレーションなどについて検証する考えだ。