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紅茶飲料 伏兵は「ジャワティ」か 2大ブランド激戦余波で再評価も

紅茶飲料市場は「午後の紅茶」(キリンビバレッジ)の独壇場で有力な対抗馬がなく長らく無風状態にあった。今年、「午後の紅茶」と「ボス」(サントリー食品インターナショナル)の両ブランドでオフィスワーカーに向けた無糖紅茶のマーケティングが活発化されることで、無糖紅茶の先駆けである「シンビーノ ジャワティストレート」(大塚食品)が再評価される可能性もある。

無糖ブームが起こる遥か昔。「ジャワティ」は大塚ホールディングス初代会長で「ボンカレー」の生みの親である大塚明彦氏の先見の明で開発された。

「88年4月、当時・大塚食品社長であった大塚明彦が米国のある会社の研究所で竣工式に招かれ、そこでの食事会でアイスティーが提供され、これが料理と合っていたのに衝撃を受けたという」(大塚食品の森川慎太郎飲料事業部ジャワティ担当プロダクトマネージャー)。

帰国後すぐに琵琶湖研究所で無糖のテーブルドリンクの開発に着手し平成元年(1989年)に「ジャワティ」を発売した。5月24日に発売30周年を迎えることから「無糖、無香料・無着色、ジャワ島産茶葉100%使用、透き通る鮮やかな琥珀色――という30年続けてきているこだわりを改めて消費者に伝え顧客を増やしていく」。

「午後の紅茶」CM発表会(キリンビバレッジ)
「午後の紅茶」CM発表会(キリンビバレッジ)

「午後の紅茶」は、新商品の投入と新コミュニケーションの展開で紅茶飲料から遠ざかってしまった“休眠層”や新たなユーザーを掘り起こしていく。

「午後の紅茶」の注力商品は「おいしい無糖」と26日に発売される新商品「ザ・マイスターズ ミルクティー」。

「おいしい無糖」は「まだ飲んでいない方が圧倒的に多いことから、オフィス飲料としてサンプリングを行い実際に仕事中に紅茶を飲んでもらう体験をフックにメディアにも取り上げてもらい、オンタイム(勤務中)にもふさわしいという気づきを与えていく」(キリンビバレッジの加藤麻里子マーケティング部商品担当部長代理)。

その第1弾として今月から三菱地所の社員に対し「おいしい無糖」の無償提供を開始。4千本を用意し4週間かけて配布していく。食事との相性も訴求し、店頭ではカレーとのクロスMDを今月中旬から順次展開している。

「ザ・マイスターズ ミルクティー」は、甘さとカロリーを抑えて紅茶感を強化した微糖ミルクティー。甘さから離れていく20代前半から30代前半の働く女性をメーンターゲットに設定し、新容器を採用してPETコーヒー棚にも提案。「PETコーヒーユーザーは、コーヒーのライトユーザーであり、さまざまなカテゴリーの飲料を飲まれる傾向にあるので、そのような方々に週に何回か飲んでもらえると考えている」(キリンビバレッジの東桃子マーケティング本部マーケティング部商品担当主任)。

「クラフトボスTEAノンシュガー」CM発表会(サントリー食品インターナショナル)
「クラフトボスTEAノンシュガー」CM発表会(サントリー食品インターナショナル)

「ボス」は「水分補給をしながら快適に仕事がしたいという広義の働く人たちのニーズをとらえた場合、真の意味で働く人の相棒であるためにはコーヒーだけではカバーできない」(サントリー食品インターナショナルの大塚匠ジャパン事業本部ブランド開発事業部課長)との考えから19日に無糖紅茶「クラフトボスTEAノンシュガー」を新発売し、第2弾の「同ミルクティー」の発売も年内に予定している。

コミュニケーションは、紅茶の快適さや軽やかさを表現するため、Tシャツを着て快適に軽やかに働く「T―WORK STYLE」を提案。TVCMやクラフトボス限定カラーの「Uniqlo U」のTシャツが当たるキャンペーンを展開していく。

“面白みや驚き”“少しテンションを高めたい”といったことが無糖茶の潜在ニーズと判断し、「TEAノンシュガー」は新技術で高濃度に香りを抽出してキレを高めながら紅茶の渋みを低減させた。

自然な甘さでリフレッシュできる飲料で差別化を図る「紅茶花伝クラフティー」(コカ・コーラシステム)は4日からTVCMやLINEサンプリングなどを展開している。

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