日本の稲作はかつて生産性が世界2位だった。ただし50年以上も前の話。その後はアメリカや中国などに次々と抜かれ、近年は16位と大幅に後退。
▼データを公表したのはマッキンゼー・アンド・カンパニーの加茂正治シニアアドバイザー。一般論として兼業農家や小規模農家の多さを紹介し、独自視点でコメの流通に市場(いちば)がないことを指摘。「産業が成長するには市場原理が必要。絶え間ない切磋琢磨で品質向上や効率化が進む。差別化要素が明確なことも大切。日本のコメはどちらも欠けている」。
▼国内の加工食品市場はどうか。幸か不幸か熾烈な競争にさらされている。平成のデフレ時代では安くておいしいことが当たり前になった。足元のインフレ下、コスト高と節約志向の板挟みに悩まされ、減りゆく胃袋の奪い合いが続く。
▼未来への光明はある。インバウンドの急拡大で日本の食品産業は高い評価を獲得。海外で日本産食材のニーズが高まっている。食品メーカートップは「世界で見ると人口は増加傾向。われわれの技術を生かせばチャンスは大いにある」。
