――中期経営計画の進捗はいかがですか。
服部 「良い×強い=最強」という言葉を掲げた中期経営計画「頂(イタダキ)2025」は、最終年度を1年延長して26年度までとした。
「良い」はどんどん磨かれている実感があるが、24年に売上総利益率が急激に低下するなど、「強い」には不十分な面が見られた。
しかし昨年は売上総利益率も改善し、結果が出始めた。今中計では、AIを活用した値引き・製造計画の策定を導入したり、仕入先や取引先を変更したり、従来の仕組みや業務の在り方の見直しに取り組んできた。24年には試行錯誤の段階でコントロールしきれなかったことが軌道に乗ってきている。
商品設計では、原材料や資材の高騰で見直す際、単純にコスト転嫁するのではなく他の商品とのバランスまで考慮した設計にするなど、「勘所」が分かるようになってきた。
値引きの精度が上がって売れ行きが良くなれば、廃棄ロスの適正化にもつながる。小さな積み重ねの結果が、売上総利益率に表れたのだと思う。コスト低減に取り組んだ実績も積み上がり、年間数億円単位の改善につながっている。「強い」も磨かれてきた実感がある。
――「生きる糧を分かち合うお店」の実現に向けた進捗はいかがですか。
服部 年々進化している実感がある。昨年は取引先のメーカーや生産者の方々から「スタッフが楽しそうに働いていて店舗の雰囲気が良い」と評価されることが多かった。お客様同士がスタッフを仲介して仲良くなった例も聞く。「生きる糧を分かち合うお店」というのは情緒的な価値であり効果測定は難しいが、今後の取引につながったり来店動機につながったり、お店にとって良い循環を生みだしている。
ここ数年、既存店の客数を増やし続けられているのは、製造部門や売場を作る部門だけでなく、チェックスタンドの社員らの働きも大きいと思っている。
スーパーマーケット業界では、売価、品揃え、サービスといった指標が主な競争軸だが、サミットは、目には見えなくてもお客様を惹きつけられる魅力を磨き、従来と違った競争軸を生み出せるのではないか。
過度にへりくだらず、「いらっしゃいませ」よりも「おはようございます」とあいさつするような「向き合う接客」など、これまでサミットが取り組んできたことの狙いは一貫してそこにある。
――今年の抱負をお願いします。
服部 社員たちから「スーパーマーケットの仕事が楽しい」を略して「SST」という言葉が出てきた。これが≪あくまで結果として≫、「サミットの仕事が楽しい」になることが一番望ましい形だと思っている。
お客様から選ばれるお店を作るのは、私や役員やマネージャーではない。店舗で働く一人ひとりが前向きな気持ちであること、チャレンジする姿勢が見られること、楽しく仕事をしていることなどが、地域に欠かせないスーパーマーケットの役割を果たす力になる。
25年に結果が見えてきた取り組みを継続し、26年度には次期中計の展望を描けるレベルまで完成度を高めたい。
