ファミリーマートは12月17日、体験型イベント「FamilyMart FEST.2025(ファミフェス2025)」を開催し、「あそべるコンビニ」を掲げた新たな取り組みを発表した。ゲームやアニメなどのIP(知的財産)と連動し、来店や購買を楽しむ体験へと広げることで、買い物の場を「リテールエンターテインメント」へ進化させる。
細見研介氏社長は、全国約1万6000店の店舗網や「ファミペイ」、店舗に設置したデジタルサイネージを軸としたデジタル基盤整備がこの5年で一区切りを迎えたと説明。「次のステージとしてIP戦略に踏み出す」と述べ、今回のファミフェスをそのキックオフと位置付けた。2023年に開催した第1回ファミフェスでは、ファッションショーを実施し、日本のコンビニ文化を世界に発信するきっかけになった。今回は日本文化に根付く「遊び心」をテーマに日常の買い物体験へ取り込む考えを示した。

エグゼクティブ・ディレクターCMO(兼)マーケティング本部長 CCRO(兼)デジタル事業本部長の足立光氏は「あそべるコンビニ」を具体化する取り組みとして8つの施策を紹介。人気IPと連動した「エンタメグルメ」や季節イベント、クレーンゲームなどを設置する「お買い物アトラクション」、オンライン限定企画を展開する「ファミマオンライン」、ラッピング店舗による「ファミマで『聖地巡礼』を楽しもう!」、マルチコピー機を活用した「推し活ファミマプリント」、ファミペイや店内デジタルサイネージを活用したお得で楽しい買い物体験などを挙げた。
これらの施策を通じ、来店動機を強化して既存顧客の来店頻度向上を図るとともに、IPを入口にした新規顧客の獲得や、デジタルを活用した新たな収益機会の創出につなげる。
IP連携施策の一例として、ラッピング店舗を紹介。同社は「ファミリーマート葛飾たつみ橋店」を期間限定で漫画「キャプテン翼」とサッカークラブ「南葛SC」のコラボ店舗として展開しており、ファンの来店動機づくりにつなげている。今後はこうしたラッピング店舗を数百店舗規模に拡大していく考え。
