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流通・飲食小売新体制の船出 ヨーク・ホールディングス 石橋誠一郎社長 グループ一体運営を強化 「コミュニケーションを密に」

新体制の船出 ヨーク・ホールディングス 石橋誠一郎社長 グループ一体運営を強化 「コミュニケーションを密に」

 イトーヨーカ堂やヨークベニマルなどスーパーストア事業を統括するヨーク・ホールディングスの石橋誠一郎社長は「グループの一体運営を強化するため事業会社間のコミュニケーションを増やしている」と話す。9月に親会社となった米国投資会社ベインキャピタル(ベイン)も交え、密なやり取りで業績の進捗や事業の課題を共有することが狙い。「われわれなりの領域とスピードで持続的な成長を目指す」と力を込める。

■新型店でシナジー追求

 石橋社長は「(元親会社)セブン&アイ・ホールディングスの中でみるとヨークHDの売上規模は決して大きくなかったが、当社グループ内においては一社一社(スーパー事業、専門店事業)の稼ぐ力は非常に大きなものがある」と評価。

 「イトーヨーカ堂は創業105年、赤ちゃん本舗は創業93年、ヨークベニマルは創業77年、シェルガーデンとデニーズジャパンは創業50年超、ロフトは創業38年。1つのグループにこれだけ歴史のある企業が集まっていることは珍しい。われわれの一番の強みは多くのお客様にご愛顧いただいている屋号そのもの。これをさらに成長させていくには一体的な運営が重要」と語る。

 そうした方針のもと、各社の社長を含む経営陣は日々密なコミュニケーションを実践。ヨークHDと各事業会社はスモールで週1回の打ち合わせ、全体で月1回の情報共有を行う。別途で月1回、ヨークHDの取締役会とグループ戦略会議を約3時間かけて実施。それぞれにベインのスタッフも参加する。グループの社長会を定例で開催するほか、主要事業会社の重要な会議にもベインがオブザーバーとして出席する。

 石橋社長は「事業会社の取り組みをみんなで把握する体制をとっている。この中からグループのシナジーも追求できると考えた」と話す。

 これを象徴するのが3月にオープンした「ヨークパーク」(福島県郡山市)だ。旧イトーヨーカドー郡山店を刷新したものだが、各事業会社の力を結集。専門店は赤ちゃん本舗とロフトが入り、食品フロアはヨークベニマル西ノ内店が担っている。同店では鮮魚、精肉、総菜などの専門店化を推進。「おかげさまで順調に成長し、販売は当初計画を達成。土台となる食品で形が見えてきた」(石橋社長)と手応えは大きい。

 9月オープンの「ヨークフーズ MARK IS 葛飾かなまち店」(東京都葛飾区)にも同様のノウハウを注ぎ込んでいる。
「今後イトーヨーカ堂はフード&ドラッグに特化し、専門店事業はグループのクリエイトリンクに移管。これによって館(やかた)全体の魅力をさらに高めたい」と展望する。

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