「第6回サラダシンポジウム」が10月2日、東京都品川区の東京海洋大学で開かれた。同シンポジウムは2015年に東京海洋大学内に設置されたサラダサイエンス寄付講座を母体としたもの。ケンコーマヨネーズとニチモウらが後援している。
寄付講座は昨年で終了したが、シンポジウムは、サラダを通じて自然科学と社会科学を結ぶ学際的な対話の場として、今後も2年に一度開催することに決まった。今回のテーマは「サラダ野菜、青果物をめぐる環境 サラダ素材のサイエンス」。生産、流通、加工、栄養の各プロセスにかかわる識者が最新の知見や課題を発表した。
実行委員長の鈴木徹氏(食品冷凍技術推進機構代表理事)は「サラダは環境、健康、食をつなぐメニュー。サラダの一皿は、古代から現在に至るまで豊かさや人々の幸福を象徴するものだ。彩り、香り、食感などの要素が人々に幸福感を与えると思う。われわれは日本でサラダを食べられることに感謝しながら、分野を越えて連携することで食の未来を切り開きたい」と述べた。
農林水産省園芸流通加工対策室の大西健介氏は、国産野菜をめぐる情勢を解説。国産野菜の流通状況から消費の現状、農水省の施策を説明した。野菜の国内生産量は減少しており、加工・業務用の国産の割合は20年には7割以下に。大西氏は、輸入は調達不安定化のリスクがあることから、政府は「国産野菜シェア奪還プロジェクト」を進めていることにも触れた。また生鮮野菜の消費が減少する一方、サラダ消費の伸びを指摘。「野菜を食べようプロジェクト」を立ち上げ、一般の人に興味をもってもらえるように栄養素や成分の情報提供、レシピ紹介などに取り組んでいると報告した。
農畜産業振興機構の大石晃氏は、気象と野菜の需給についてデータを紹介。産地別の気候の変化と野菜の価格、需要動向について分析結果を発表した。


