家庭用冷凍食品のバラエティ化が進んでいる。物価高で食に対する選択眼が厳しくなる中、外食やコンビニ弁当などの代替で冷凍食品が使われるケースも増加。世間においしさ・簡便性の認知が広く浸透し、新フレーバーや高価格帯の製品も売場に定着しやすくなった。メーカーの開発担当は「定番品以外も買い回りしていただけることが増えた」と手応えを話す。
■米飯やワンプレートが好調
インテージSRI+データによると、上期(4~9月)の冷凍食品市場規模は米飯類が前年比7.6%増、パスタ類が同7.3%増、ワンプレートが同17.0%増と3ジャンルが好調だった。
同社アナリストの木地利光氏は「コメの高騰など物価高を背景に節約志向が強まり、コスパの良い冷凍食品を主食として活用することが増えたとみられる」と分析する。
米飯ではニチレイフーズが春に発売した「たっぷり卵のえび炒飯」がヒット。自家製えび香味油を使用するなどシンプルかつ奥深い味わいでリピーターもついている。主力品「本格炒め炒飯」などに次ぐ柱商品に育てていく。トレイ入り個食米飯にも注力。秋に「とろ~り卵のハンバーグオムライス」などを発売した。
パスタ類はニップンが「オーマイプレミアム」ブランドで牽引。なかでも上期はワンランク上の「同 至極」シリーズが二ケタ増。同社は「価格が少し高くても価値を認めていただけている。同じ消費者がシチュエーションに合わせてレギュラー品と買い分けているケースも多い」と語る。
日清製粉ウェルナは新たに「もちもち生パスタ」シリーズを立ち上げた。試作を100回以上繰り返すなど理想のおいしさを徹底的に追求した。
ワンプレートは単身世帯や共働き世帯の増加から人気上昇中。トップシェアはニップン。和食の「よくばり御膳」シリーズは「五目ご飯と鶏と野菜の黒酢あん」など、「よくばりプレート」シリーズは「和風おろしハンバーグ&香味醤油スパゲッティ」を中心に豊富なメニューを揃える。
ニッスイは「まんぞくプレート」シリーズが絶好調。釜炊きでふっくら仕上げた白ごはんと相性の良いおかずをセットにし、「ふっくらごはんとカツカレー」などが売れ筋。


                                    