日本醤油協会と全国醤油工業協同組合連合会は10月1日、都内で「醤油の日の集い」を開いた。テーマは「SHOYU ISLANDS JAPAN~世界へはばたけ、日本のSHOYU~」。「第52回全国醤油品評会」「SHOYU・オブ・ザ・イヤー」の表彰に加え、記念講演「世界へはばたけ、日本のSHOYU」を行った。
日本醤油協会の堀切功章会長は主催者あいさつで今回のテーマに言及。輸出について「2021年から国の補助金を活用した輸出拡大の取り組みを進めており、毎年着実に成果を上げてきている」、海外進出について「海外工場の数は6社で8つの国・地域に13工場を数えるまでに増加し、その生産量は国内生産量の約半分に達したと見込まれている」と語った。
同会長は「日本には沖縄以外のすべての県に約1000社の醤油蔵があり、それぞれの地域の多様な食生活を支えている」としたうえで、多くの外国人観光客が日本各地を訪れていることにも触れて「個性的な日本の醤油の魅力に気づく海外の人々も少なくない」と指摘。「醤油の日の集い」について「醤油の魅力に気づくきっかけになることを心から祈念している」と述べた。
「第52回全国醤油品評会」は303点が出品され、ヤマカノ醸造「純正」(宮城県・こいくち)、今野醸造「吟醸」(宮城県・こいくち)、山形屋商店「ヤマブン本醸造特選醤油」(福島県・こいくち)、ちば醤油「味特しょうゆ」(千葉県・こいくち)、ヤマシン醸造「さしみたまり」(愛知県・たまり)の5点が農林水産大臣賞、また10点が農林水産省大臣官房長賞、38点が優秀賞を受賞した。
「SHOYU・オブ・ザ・イヤー」は、「醤油文化賞」と「醤油地域貢献賞」を一つにまとめて新設されたもので、その年に醤油の価値向上や業界に貢献した人、醤油を通して食文化の伝承に尽力した人、醤油に関する学術研究に功績のあった人などを表彰する。初の「SHOYU・オブ・ザ・イヤー」は「職人醤油」の運営に加えて「木桶職人復活プロジェクト」や「木桶仕込み醤油輸出促進コンソーシアム」にも携わる高橋万太郎氏が受賞した。
記念講演「世界へはばたけ、日本のSHOYU」では、柴沼醤油インターナショナルの柴沼秀篤社長、フンドーダイの山村脩社長が登壇し、それぞれの輸出の取り組みを紹介。今回の「醤油の日の集い」では、第1部式典、第2部記念講演に続き、第3部として懇親パーティーも行われた。