御塩殿崇敬会(西田直裕代表)は5日、伊勢神宮で催された御塩殿祭に参列し、塩業界の繁栄を祈念した。伊勢神宮に奉納する塩は、内宮鎮座時に倭姫命(やまとひめのみこと)が定めたとされており、五十鈴川河口の「御塩浜」で採取したかん水を、御塩殿神社内の施設で荒塩にし、焼に仕上げる。いずれも古来変わらぬ製法を堅持しており、供物、お清めの塩として使用されている。今年は7月28日から8月4日にかけて採かん。天候要因もあり年間で必要な荒塩が確保できた。
当日は日本塩協会、全国塩元売協会、特殊製法塩協会、全国輸入塩協会、塩事業センターなど業界を代表する団体、企業から約六十名が参加し、御塩浜、御塩殿神社を神宮司職員の誘導で参拝した。

御塩殿祭では地元関係者とともに各団体長が業界の発展を祈念、続いて内宮参拝、神楽殿奉奏した後、参集殿に移動した。参集殿では御塩殿崇敬会の西田直裕代表(日本塩協会会長、日本海水社長)があいさつ。「神宮司庁の皆様には毎年お心配りいただいている」と感謝したのち、「御塩殿祭に参列し心が洗われるとともに、塩が特別なものであることを改めて感じた。塩は体に不可欠なものであり、食糧の安全保障において最も大事な戦略物資。引き続き安定供給に向け取り組むと同時に、コミュニケーションを深めながら塩の価値も高めたい」と挨拶した。