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加工食品即席麺・即席食品ブラジル日清、現地の若者に刺され! 「カップヌードル」日本流のマーケティングに勝機

ブラジル日清、現地の若者に刺され! 「カップヌードル」日本流のマーケティングに勝機

日清食品ホールディングスの海外グループ子会社、ブラジル日清が日本流のマーケティングでヒットを連発している。もともと同国の即席麺市場でシェア約7割(金額ベース)と圧倒的な強さを誇るが、「CUP NOODLES(カップヌードル)」のCMでは日本で話題になった「日清カレーメシ」のカオスな世界観をオマージュしたり、現地ロングセラー商品のCMでは「チキンラーメン」のリズムネタCMを元ネタにしたり、日本人なら既視感のあるプロモーションが地球の反対側でバズっているという。本紙の取材にブラジル日清でマーケティング担当の原宏輔取締役は「ブラジルの若者は好奇心旺盛で上昇志向が強い。当社のユニークな商品やプロモーションにも好反応」と自信をのぞかせる。

現地カップヌードルの人気フレーバー
現地カップヌードルの人気フレーバー

■未知の「カップヌードル」を伝えるには?

日本流のマーケティングを加速させたきっかけは2018年、全面リニューアルした「カップヌードル」シリーズを若者向けにアピールするためだった。現地のし好にあわせ、スープの量を少なめにしてパンチの効いた味付けにしたもの。ただしブラジルの即席麺市場は9割以上が袋麺であり、カップ麺はほとんど知られていない。「どうすればブラジルの若者に刺さるのか」。「カップヌードル」の大きなポテンシャルは確信していたが、簡便なお湯かけ調理や豊富なラインアップなどの魅力を伝えるにはインパクトあるプロモーションが必要と考えた。

そこで浮上したのが日本で当時話題を呼んでいた「日清カレーメシ」のCMだ。「メンよりメシ」として自社の看板商品「カップヌードル」をあえて爆破し、「カレーメシくん」が「日清カレーメシ」をアピールするもの。

「日本人にとって『日清カレーメシ』がお湯を注いで調理する新しいカレーだったように、ブラジル人にとってカップ麺は未知の存在。ならば日本で成功したCMのオマージュこそ伝わりやすいのでは」(原取締役)との想いに至った。ちなみに当時の「日清カレーメシ」のCMをブラジル人のスタッフに見せたところ、言葉は通じなくても映像に興味津々で商品特長はしっかり伝わったという。

「日清カレーメシ」の世界観をほぼ踏襲したブラジル版「カップヌードル」のCMは、ブラジルの若者からの反響が良く、「カップヌードル」の認知獲得に貢献。その後も「日清カレーメシ」をオマージュしたCMを毎年放映し続け、昨24年には「全部うまいカップヌードル」を合言葉にカオスな映像を展開し、ブラジル料理をイメージした味付けが特徴のラインアップ(「地鶏とスパイスの煮込み」「牛肉の煮込み」など)を目まぐるしくアピールした。

「Nissin Lamen」のCM
「Nissin Lamen」のCM

袋麺の主力品「Nissin Lamen」シリーズでは、「チキンラーメン」のリズムネタCM「チキラーホッパ―篇」をオマージュ。ノリの良いメロディーやダンスはほぼそのままに、「ポインポインスポポイン♪」と好みの具材をどんどんのせるブラジル流のアレンジレシピをアピールした。なお「ポイン」はポルトガル語で「置く」「足す」を意味するという。

「Nissin Lamen」では昨年10月、ハロウィンシーズンに3つの味をミックスした“謎に旨いミステリーフレーバー”を限定発売、大ヒットした。味わいは牛肉系とチキン系の2種類。ブラジルでは調理時間やスープの量などを自分好みに変える傾向が強いという。原取締役は「メーカーとしては調理方法を守っていただくのが理想」と前置きしつつ、「現地ユーザーがアレンジしたラーメンを食べると実は凄くおいしかったりする。その自由な発想を商品開発の参考にさせていただいた」と背景を明かす。

今後に向けては、カップ麺の需要開拓を加速させたい考え。「これまで袋麺を食べ続けてくださっているお客様の期待に応えながら、若者をターゲットに『カップヌードル』などのブランディングを強化する。マーケティングのテーマは“ユニーク&バラエティ”。単純に便利でおいしいというだけでなく、(日本同様に)楽しくて面白いと感じてもらえるように育てていきたい」と展望する。

ブラジルのスーパー売り場
ブラジルのスーパー売り場

■現地シェア7割のトップメーカー

世界ラーメン協会調べによると、ブラジルの即席麺総需要は25・9億食(2024年)。中南米では最大の消費国だ。今後も長期的な人口増が確実視され、マーケットはさらなる成長が見込まれる。

ブラジル日清の市場シェアは金額ベースで約7割と圧倒的に高く、主力の袋麺「Nissin Lamen」シリーズは国民食とも呼べる存在に育っている。
原取締役は「試食販売を重視し、おいしさや便利さを地道に伝えてきた。現在も8台のキッチンカーがブラジルの主要都市を巡り、年間120万人に試食を提供。市場に深く浸透し、大型の現地スーパーでは長さ20~30mの棚に当社製品がずらりと並ぶ」と胸を張る。

当面の目標について原取締役は「26年にブラジル3か所目の新工場が稼働予定。即席麺のカテゴリーリーダーとして30年までに総需要を30億食まで引き上げたい」と話す。

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