魚由来の機能性素材も
冷凍遠海魚の製造を手がける家族経営の水産企業。50年以上にわたる知識と経験をもとに、自社の漁船および陸上加工施設を運営している。
「環境を大事にすることが、全社的な哲学。近年は船や工場の近代化へ大規模な投資をしてきたのもその一環だ。世界的にも珍しいディーゼルエンジンと電気によるハイブリッド駆動の漁船や、冷媒にアンモニアを使用した環境負荷の少ない冷凍設備などを導入している」。カール・マクヒューCEOが語る。
日本向けにはサバなどの遠海魚を輸出。CEO自ら東京をこれまでに数回訪れ、顧客と長期にわたる関係を築いてきたという。魚の脂質を保つため24時間以内に急速冷凍するなど、日本側が求める品質へのニーズに応える。

今後のアジア市場を見据えた新プロジェクトも進行中。魚のたんぱく質に含まれる健康成分のペプチドに着目したプロテイン粉末だ。政府系研究機関との共同研究に取り組む。
繁殖が早く個体数が豊富なタラの一種「ブルーホワイティング」から、繊細な加工技術によりペプチドを壊さずに抽出・粉末化。4年にわたる開発を経て、今月から小規模な工場での生産に着手。最終的に年間5万tの加工(魚の重量ベース)を予定する。すでに大手食品メーカーとも契約しているという。
(つづく)