ニッスイは、家庭用冷凍食品で電子レンジ調理できる煮魚を9月から発売する。「赤魚の煮付け」「さばのみそ煮」の2品。独自技術でふっくらした食感と味のしみ込んだ煮魚が手軽に味わえる。水産素材を使った新商品は今春の水産フライ(「あじフライ」など3品)に続くもの。同社は「冷凍水産素材のバラエティ化を図り、食卓で冷凍食品を利用していただく機会を増やしたい」との意気込みだ。
冷食売場で食卓向け水産商材アピール
7月16日に25年秋冬新商品発表会を開催。梅田浩二取締役専務執行役員は「新しい“食”でお客様の喜びに貢献することを目指し、開発コンセプトには『ココロを満たす(=Pleasure)』『作る楽しさ(=Enjoy)』『カラダを整える(=Healthy)』を掲げた」と話した。

家庭用冷凍食品では「今日のおかず レンジでできる」シリーズの「赤魚の煮付け」と「さばのみそ煮」が注目株だ。
単身世帯の増加やライフスタイルの多様化による個食ニーズの高まりに着目し、食べきりサイズで1切れ入りの魚総菜を開発した。内袋のパウチごとレンジ調理可能。
今春発売した同シリーズの水産フライは順調なすべり出し。家庭用食品部の熊谷健一部長は「商品コンセプトやおいしさの評価は非常に高い。現状は商品認知がまだ不足しているので、店頭企画や酒類メーカーとのコラボ販促などで活性化を図っている」とし、「新商品の煮魚も加え、冷凍食品売場に食卓向けの水産商材があることを浸透させたい」などと述べた。
白いごはんとおかずをセットにした「まんぞくプレート」シリーズは4~6月で前年比170%と拡大中。今秋は市場で手薄な中華メニューを強化するため、商品化の要望が最多の「同ふっくらごはんと油淋鶏」を発売する。
キューディッシュ食品(密封包装された加熱済み総菜。チルド売場向け)では、レンジで温めるだけでおかずになる中華メニューを開発。「ガツンとにんにく旨辛麻婆」はニンニク風味や辛味がきいたパンチのあるタレに、崩し豆腐をあわせた。姉妹品で「とろとろ茄子の旨辛麻婆」も発売。2品ともパッケージにパンダのキャラクターを入れ、売場で目立つようにした。

業務用にこだわりのあじ・牡蠣フライ
業務用食品の目玉は、主力の水産フライで本格感を追求すべく、素材・製法・おいしさにこだわった「至福のひとさら」シリーズだ。「真あじのフライ」は洗浄工程で一般的な真水を使用せず、苦味やえぐみを抑え、アジ本来のおいしさを存分に味わえるようにした。
「広島産大粒牡蠣のフライ」はトレーで成型せず、カキの自然な形や旨味、風味を急速凍結した。どちらも外食等での採用を見込む。