味の素大阪支社が展開する商品提案「エモいASV」が、販売実績に結び付いている。懐かしさや温かさといった“エモい”感情を提供し、購買を促すもので「レトロ純喫茶」や「町中華」をテーマにした売場を展開。4~5月のフェア対象商品の売上は前者が前年比8%、後者が同20%それぞれ伸長した。
7月15日、リーガロイヤルホテル大阪で開いたグループの秋季施策提案会でも、これらの企画を紹介。「純喫茶」はパルスイートを使った「大阪生まれのミックスジュース」、「町中華」ではハイミーやオイスターソースで仕上げた「黒焼き飯」などを試食提供した。
「パルスイートは販促の機会があまりないので、大阪らしいメニュー提案でしっかり売り込みたい」と担当者。背徳感のある「黒焼き飯」は、特に男性の来場者に人気だったという。
岡村由紀子支社長は「日常の食事と特別な食事。それぞれのニーズを満たす商品がこの秋冬の開発テーマ。このうち、特別な食事はハレの日だけでなく、開放感、時には罪悪感など、いつもと少しだけ違うものとして、それぞれの食シーンに合わせた商品を提案している」と話す。新商品では、イチ押しに挙げる「平飼いたまごのマヨネーズ」がその一つ。今回は既存品を合わせ全6種類を用意し、マヨネーズの食べ比べを実施した。
このほか、パスタを1・7倍に増やし満足感を高めた「スープDELI PASTA+」、安価な鶏むね肉で調理できる「スチーミー」など、昨今の節約志向を意識した新製品も見られた。
なお、この秋冬の新製品は味の素が18品(リニューアル50品)、グループでは56品(同76品)を発売する。

メディア向けの説明会では、グループ各社のエリアトップがそれぞれイチ押し商品を挙げ、次の通り話した。
【味の素AGF大阪支社・吉田安之支社長】コスパの良さや利便性から、インスタントスティックの市場が伸びている。今回、「ちょっと贅沢な珈琲店 スティックブラック」を発売。関西のライフスタイルに合わせた提案で、新しい需要を作る。
【味の素冷凍食品関西リテールカスタマーソリューション部・新庄浩部長】冷凍食品の中でも餃子は市場規模が大きい。新商品の「コクうま味噌ギョーザ」を投入する。バラエティのある商品でさらに拡大したい。
【J-オイルミルズ大阪支社・児玉仁志支社長】今回「MCTオイル」を発売。健康意識の高まりへ向け、付加価値の高い商品を提案する。
【ヤマキ大阪支店・佐々木邦彦支店長】顆粒タイプの「サッと鍋」シリーズを発売する。濃さを調整でき、軽くて持ち運びしやすい。ストック需要も捉えたい。
【味の素コミュニケーションズ・永井敦美社長】店舗の人手不足解消へ向け、ストアロボを提案する。品出しの効率化だけでなく、販促にも利用が可能だ。