マルハニチロ 「新中華街」ラーメン進化 麺とスープを同時にレンジ調理

マルハニチロは、家庭用冷凍食品で「新中華街」シリーズのラーメン類を進化させる。

定番の「横浜あんかけラーメン」と「酸辣湯麺」は電子レンジで“チンしてお湯を注ぐだけ”の簡単調理にブラッシュアップ。従来は別々だった麺と具入りスープのレンジ調理を同時に1回でできるよう改良した。今秋には海鮮の旨みがきいた新商品「えびと野菜のあんかけラーメン」を発売。3品体制でシリーズを活性化していく。

7月9日に本社で秋季新商品の発表会を開催。小梶聡専務執行役員は「物価上昇で生活者の節約意識が高まる一方、ニーズは多様化している。当社は市販用商品では健康意識の高まりに寄り添いながら、簡便かつ本格的なおいしさを追求。業務用商品では調理現場の人手不足といった課題解決に貢献できる商品の開発を目指した。われわれの原点である資源調達力、高度な食品加工技術力、多様なニーズに応える食材提供力を強みに新たな価値創造につなげたい」などと語った。

家庭用の冷凍食品では、「新中華街」シリーズが発売30周年を迎えた。今秋はラーメン類をより簡単なレンジ調理に改良する。過去の消費者調査で麺やスープに対する満足度は高いものの、調理手順が面倒との意見があり、リニューアルでさらなる簡便化に踏み込んだ。

「横浜あんかけラーメン」でみると、現行品は2包を別々にレンジアップし600Wで約7分40秒かかるが、改良後は一回で約7分に短縮される。その後はお湯かけ調理で完成。

同社は「麺の配合を工夫して耐熱性やほぐれ性を調整した。具入りスープは早く溶けるように濃縮度を上げつつ、おいしさが変わらないよう調味を整えた」とする。

新商品「えびと野菜のあんかけラーメン」は、海鮮の旨みが詰まった一杯。自社調達のえび、国産ホタテ、真鯛エキスをふんだんに使用し、6種の具材(えび、白菜、もやしなど)を大きめにカットし食べ応えと彩りにこだわった。1人前437g。

「新中華街 極旨!むね唐揚げ」
「新中華街 極旨!むね唐揚げ」

「新中華街」の新商品「極旨!むね唐揚げ」も注目株。むね肉でありながら、こだわりの製法により驚くほどジューシーで弾力のある食感を実現した。450g。

個食米飯「WILDish」では韓国缶詰ツナ市場でトップのDongwon社と初コラボ。「唐辛子ツナ炒飯」として、甘辛くてやみつきになる味わいに仕上げた。1人前230g。

一方、業務用のうち総菜ルートは人手不足やコスト上昇を背景に需要が高まっているものの、アウトパック化の影響で消費者の満足度が低下傾向にあるという。その課題解決に向け、インストア調理で出来立て感やおいしさを感じられる商品の提供を目指した。

新商品「オイスターソース香る太麺あんかけ焼そば」は、本格中華の味わいが特長。食べ応えのある太麺に、経時変化に強いあんをあわせた。「あじわい 大きな鶏天ぷら」は、コメの代替でうどんの需要が高まっていることに着目して商品化。下味で昆布とカツオの旨みをきかせ、ボリューム感ある見た目に仕上げた。主菜としてご飯との組み合わせもおすすめ。プリフライのため加熱不足の心配もない。

新商品の年間販売目標は加工食品ユニットが22品で40億円、食材流通ユニットが5品で3億円。