白子は第89期(2025年3月期)決算を2期ぶりの黒字で終えた。原田勝裕社長は7月3日の決算説明会で「決意を新たに今年度を乗り切りたい」と語った。
2024海苔年度は生産枚数が一定程度回復したものの、在庫不足で入札の平均落札単価は前年度比約3円高。21年度比でほぼ2倍という異常な相場だったが「当社は品質を維持するため仕入単価の上昇幅は平均以上だった」(原田社長)。昨年12月から今年3月までは差損が出たという。
なお、6月末の株主総会では役員改選による役員の変更はなかった。
このほど、社長直轄のプロジェクトチームを組成して、経営基盤の強化と業績のV字回復に向けたロードマップ策定に着手した。
また不動産の売却資金を一部活用し、本社に「商品開発ラボ(仮称)」を設置。商品開発力の強化とともに仕入・製造・販売・開発の融合を促進する。
今年6月に3年連続の価格改定を実施し、併せて値頃感を踏まえた規格変更も行った。流通へは昨年よりもスムーズに浸透しているようだ。

秋冬の新商品では、海苔4品を展開する。「卓上使い方いろいろ味のり6切30枚」「同 焼のり6切30枚」「卓上朝食のり焼のり華40枚」の3品は穴あけ加工を施し、海苔粉が散らばらず噛み切りやすいように工夫した。
「スマプラおかずのり香80P」は、パッケージのプラスチック使用量を減らした「スマプラシリーズ」の第3弾。独自技術の窒素ガス充填で賞味期限を36か月とし、フードロス削減も同時に訴求する。
4品合計の販売目標額は1億1000万円以上。原田社長は「海苔を食べていない人に向けた販促活動を強化し、全国の皆さまに安心安全な海苔を提供したい」と語った。
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前期決算では、連結の売上高は149億3200万円(前期比12.4%増)、経常損失は2億2000万円だった。
白子単体の売上高は140億円(同10.9%増)だったが計画には届かず、2億9600万円の経常損失を計上。不動産と有価証券の売却益により当期純利益5500万円で2期ぶりの黒字とした。
子会社の南通太陽食品が好調で、連結当期純利益は1億500万円だった。
商品群別売上(単体)は、ギフト22億600万円(前期比1.1%減)。仏事関連が好調だった。
家庭用海苔は65億6500万円(13.5%増)。値上げで数量が減少し計画未達。
業務用は49億4900万円(13.8%増)、うち板海苔3億3700万円(120.3%増)で計画を達成した。
お茶漬けふりかけは1億9800万円(35.6%増)。昨秋発売の「卵かけごはんふりかけ」シリーズが好調だった。
レトルト6600万円(22.4%減)、その他1200万円(66.7%減)。
25年度の連結目標は166億3600万円(11.4%増)、経常利益1億200万円。単体目標は156億2200万円(11.6%増)とした。