エア・ウォーター 事業基盤「北海道」を訴求 人とロボットが協働作業

エア・ウォーター(AW)は、主力の産業ガスを始め、食品分野では北海道を事業基盤とした品目などを扱い、医・食・住など消費者の生活にさまざまな分野で関わっている。さらに海外事業も強化しており、万博は「国内外にAWグループの事業をアピールできる絶好の機会」(和辻徹執行役員万博推進プロジェクト担当)と捉え、異なる3つのエリアで参画する。食品関連では、人とロボットが協働するミライの飲食店を出店し、北海道素材を使用した「ミライのミックスドリンク」をロボットが作り提供する。

店舗名は、「AIR WATER NEO MIX STAND」で、販売する商品はスムージー2品、ジュース1品、酒類1品の計4品。「北海道産野菜と果物のスムージー」は、北海道産にんじん・アロマレッドを使用したジュースに、北海道産さつまいもと果実を凍らせた特製冷凍キューブを氷の代わりに使用するので、時間経過と共に味が濃くなっていく特徴がある。大阪・関西万博の公式キャラクター、ミャクミャクがデザインされたオリジナルシェイカーで、自身でシェイクして味の変化が楽しめる。

店舗で販売するスムージーなど4品
店舗で販売するスムージーなど4品

この商品一つをとっても、原料素材から購入者に商品が渡るまで、同社の事業基盤である北海道の素材と、産業ガス事業で培った技術、物流、人とロボットが協働するミライなど「グループ各社の事業基盤と技術を結集」(同)させ、健康イメージの高いスムージーに詰め込んでいる。万博を通し、一つの商品に結集した個々の技術等を訴求していく。

そして、万博を通して得られたAWへの認知等を、同社の4つのイノベーション施設に引き継ぎ、今後も地域と一体となり世界共通の課題解決に向き合っていく。
同社は産業ガス事業をもとに、農産物の栽培や冷凍技術、低温輸送や貯蔵の技術を高めてきた。「この長年かけて磨いてきた技術をアピールしたい」(同)思いもある。

ロボットでは、人とロボットが同じ空間で作業する「協働ロボット」を採用しており、ロボット2台が、ジュースを注ぐ、フタを閉める、商品を運ぶなどそれぞれの役割で動き、ミライの店舗の形を提案する。

「AIR WATER NEO MIX STAND」外観
「AIR WATER NEO MIX STAND」外観

また、ユニバーサルデザインを取り入れた店舗設計なので、車椅子の方などへは、人が商品を手渡す仕様としている。

その他の販売商品では、大阪と北海道コラボがコンセプトの「NEO北海道×大阪ミックスドリンク」は、冷凍キューブに北海道産牛乳、アロマレッド人参ジュースなどをミックスした大阪で人気のミックスジュースをイメージした。また、北海道産トマトを使用した「ALL北海道産 トマトと12種野菜のジュース」の他、酒類は同社北海道産トマトジュースとアサヒビールのコラボで「北海道レッドアイ」を販売する。さらに、店舗にはグループ企業が扱う炭酸サーバーを設置しており、炭酸を試飲することが出来る。

和辻執行役員は「店舗は、AWの事業のショーケースとも言える。新たなビジネスチャンスにつなげていきたい」と意気込みを話した。

その他のエリアでの展示は、「ミライの都市ゾーン」で「2050年のミライのホーム」を展示する他、グリーン万博「カーボンリサイクルファクトリー」では、会場内で発生したCO2を回収し、製造したドライアイスを会場内の食品冷却用で使用するだけでなく、高純度CO2を大阪ガスのメタネーション施設を通して会場内の厨房の燃料にも活用する予定だ。

(本紙 4月11日掲載分)